木暮実千代

木暮 実千代（こぐれ みちよ）

木暮実千代（1918年1月31日 - 1990年6月13日）は、日本の著名な女優であり、映画界における重要な存在でした。本名は和田つまで、山口県下関市彦島福浦町に生まれました。彼女は梅光女学院を卒業し、その後日本大学芸術学部に入学。そこで彼女の才能を見出した田中絹代の勧めで、1938年に松竹に入社しました。

来歴とキャリアの歩み

木暮のキャリアは、彼女が松竹に入ったころから始まります。当時の映画界は高峰三枝子や桑野通子などの巨星が君臨しており、木暮は準幹部から幹部へと昇進しました。彼女はその美しい容姿と妖艶な演技で、多くの恋敵役を演じながらも、映画界で独自の地位を築いていきました。

1944年には、20歳年上の従兄である和田日出吉と結婚し、満洲に渡ります。それから戦後、厳しい道中を経て帰国。1947年には松竹に復帰し、女優業を再開しました。彼女は多くの妖艶な悪女役を演じ、特に1949年に公開された映画『青い山脈』での芸者役が高く評価され、毎日映画コンクール助演女優賞を受賞しました。このようにして、彼女は「ヴァンプ女優」として名を馳せ、多くのファンの心を掴みました。

映画愛好家のための女優

生涯にわたるキャリアの中で、木暮は350本以上の映画に出演しました。彼女はその魅力と演技力によって、映画界の中で特別な存在となりました。また、木暮はCM出演の女優第一号とも言われ、ジュジュ化粧品や三洋電機などの広告で広く知られる存在でした。

ボランティア活動と教育への貢献

彼女は女優としての活動だけでなく、ボランティアにも力を入れていました。1957年には「鐘の鳴る丘少年の家」の後援会長に就任し、1960年からは銀座で文化的な教養やマナー、美容について教えるフィニッシングスクールを運営しました。さらに、1973年からは法務大臣に認定された保護司として、社会貢献にも努めました。

女性の社会進出が求められる中で、木暮は自身の影響力を利用して、様々な若き女性を励まし、成長の手助けをしました。彼女には多くの熱心な支持者がいました。そして、彼女が教えた美しさやマナーは、今も多くの人々に受け継がれています。彼女の教育的な活動は、数多くの女性にインスピレーションを与えました。

私生活と晩年

彼女は私生活では良妻賢母と言われ、社会的な地位に関わらず真摯に家庭を支える姿勢を見せました。1990年、彼女は心不全により73歳でこの世を去り、没後には勲四等瑞宝章が授与されました。木暮実千代の墓は東京都文京区の龍泉寺にあります。

彼女の遺産

木暮実千代の名は映画界において色褪せることなく、その妖艶さや演技は今なお多くの映画ファンに記憶されています。彼女の全盛期には、特に女性の描かれ方が変化した時代でもあり、そんな中で彼女は映画の中で多くの役を通じて女性の姿を表現しました。木暮は日本映画史における重要な女優の一人として、今後も語り継がれていくことでしょう。

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