木曽川・合渡川の戦い

木曽川・合渡川の戦い

木曽川・合渡川の戦い（きそがわ・ごうとがわのたたかい）は、慶長5年（1600年）8月21日から開始された、福島正則や池田輝政を指揮者とする東軍と、織田秀信を中心とする西軍との間で繰り広げられた重要な戦闘です。

戦いまでの背景

この戦いの背景には、豊臣秀吉の死去が大きく影響しています。慶長3年（1598年）8月18日に秀吉が亡くなると、後を継ぐ豊臣秀頼を支えようとする五奉行の石田三成らと、次の天下人としての地位を確立しようとした徳川家康との対立が激化しました。この対立は、家康が会津征伐を決定した慶長5年に頂点に達しました。

三成らは家康が会津に出向いている間の隙をつき、大坂城を占拠し、続いて京都や周辺地域の徳川方の城を攻略しようとしました。一方で、家康は急いで東軍を結成し、従来の敵である上杉景勝に対しては結城秀康を残し、岐阜に向かう準備を整えました。8月10日には福島正則が清洲城に到着し、多くの東軍の将も合流しました。

木曽川・合渡川での戦闘

8月21日、東軍は福島正則を指揮する軍と池田輝政を指揮する軍に分かれ、それぞれ木曽川を渡る攻撃を開始しました。木曽川を越えると、美濃国に入ることになり、織田秀信の領地に突入することになります。秀信はこの侵攻に抵抗を試みましたが、福島軍が竹ヶ鼻城を攻略し、池田軍も迎撃を打破して岐阜城へ進軍しました。

秀信は岐阜城に立てこもりましたが、福島・池田の猛攻は非常に強力であり、特に池田輝政が岐阜の地理に明るかったことも手伝って、秀信は8月23日に降伏せざるを得なくなりました。

加えて、家康は西軍の援軍が美濃大垣城に到着しないようにするため、黒田長政や藤堂高虎、田中吉政らを指揮する軍を合渡川に向かわせました。この合渡川には西軍の舞兵庫が駐留していましたが、黒田軍の突撃により西軍はすぐに敗退しました。その後、黒田軍は合渡川を渡り、約4キロ北にある赤坂を占拠しました。最終的に、8月24日には岐阜城を落とした軍勢も合流しました。

影響とその後の展開

木曽川・合渡川の戦いの最中、西軍は毛利秀元や吉川広家が伊勢や丹後に出撃するなどしており、石田三成は織田秀信に援軍を送ることができませんでした。このように、西軍にとっては不利な状況が続き、西軍の敗北につながったのです。

この戦いは局地戦でありながらも、東軍の計画通りに進み、家康本隊の到着を待つことになりました。そして、9月15日には西軍との決戦、関ヶ原の戦いが待ち受けているのでした。

このように木曽川・合渡川の戦いは、後の歴史的な出来事を予感させる重要な出来事であり、徳川家康の天下統一への道を切り開くものでした。

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