木村三四吾

木村三四吾（きむら みよご）は、1916年3月24日に兵庫県姫路市で生まれ、2008年4月に生涯を閉じた、日本の著名な近世文学研究者です。大阪樟蔭女子大学の名誉教授であり、「餘二稿」「餘二庵」「佐保之不貞祢」といった号を用いていました。

木村は、1933年に姫路高等学校に入学し、1939年には京都帝国大学国文科を卒業、同大学院へと進みました。学究生活を経て、1945年からは天理図書館の司書研究員として勤務し、その卓越した知識と人柄から、名物司書として広く知られるようになりました。天理図書館では、長年にわたり研究に励み、多くの研究者や学生から尊敬を集めました。

1976年、木村は天理図書館を定年退職し、同年、大阪樟蔭女子大学の教授に就任しました。大学では図書館長も務め、1986年に定年退職するまで、教育と研究に尽力しました。その後、同大学の名誉教授の称号を受けました。

研究者としての木村三四吾は、初期には俳諧関係の研究に情熱を注ぎましたが、晩年になるにつれて、曲亭馬琴を中心とした研究に力を注ぎました。その研究成果は、『木村三四吾著作集』全4巻としてまとめられ、後世に貴重な遺産として残されています。

木村三四吾の主な著作と編纂校訂:

著書
『俳書の変遷』（八木書店、1998年、『木村三四吾著作集 1』）
『滝沢馬琴』（八木書店、1998年、『木村三四吾著作集 2』）
『書物散策』（八木書店、1998年、『木村三四吾著作集 3』）
『藝文余韻』（八木書店、2000年、『木村三四吾著作集 4（資料篇）』）

編纂校訂
『あさぢが露』（古典文庫、1953年）
『冬の日』（山本荷兮、八木書店、1974年）
『波留濃日』（山本荷兮、八木書店、1975年）
『業余稿叢』（1976年）
『さくらかがみ 新吉原細見』（吉田魚川、八木書店、1979年）
『還魂紙料』（柳亭種彦、八木書店、1982年）
『京大本馬琴書簡集 篠斎宛』（八木書店、1983年）
『花月日記』（松平定信、八木書店、1986年）
『吾仏乃記 滝沢馬琴家記』（八木書店、1987年）
『近世物之本江戸作者部類 馬琴』（八木書店、1988年）
『新潮日本古典集成 竹馬狂吟集 新撰犬筑波集』（井口寿、新潮社、1988年）
『夜半亭初懐紙』（高井几董、八木書店、1988年）
『後の為乃記』（馬琴、1992年）
『路女日記』（土岐村路、八木書店、1994年）

木村三四吾は、その生涯を通じて、近世文学の研究に深く貢献しました。彼の学術的な業績は、現在でも多くの研究者や学生にとって重要な資料となっています。また、天理図書館や大阪樟蔭女子大学における活動は、後進の育成にも大きく貢献しました。特に、曲亭馬琴の研究における木村の貢献は特筆すべきものがあり、馬琴研究の基礎を築いたと言えるでしょう。

木村三四吾の著作は、文学史における重要な研究成果であるとともに、文学作品の新たな魅力を発見する鍵となるでしょう。彼の研究に対する情熱と、緻密な分析は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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