木村惇

木村惇（きむら あつし）

概要

木村惇は、1891年（明治24年）に宮城県で生まれ、日本の政治、行政、外交の分野で幅広い活躍を見せた人物です。内務官僚、外務官僚、外交官としてのキャリアを積み、最終的には京都府知事を務めました。戦後の混乱期における地方行政を担い、その手腕を発揮しました。

生い立ちと学歴

1891年10月、木村惇は平民・木村精造の長男として誕生しました。旧制第二高等学校を経て、1915年に京都帝国大学法科大学政治科を卒業しました。この間、1914年には高等文官試験に合格しており、その高い能力が早くから認められていました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後の1915年、木村は内務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。東京府内務部農商課長を歴任した後、外務省に転じました。外務省では、欧米局第一課事務官、在アメリカ合衆国大使館三等書記官・二等書記官、亜細亜局事務官、文化事業部事務官、文化事業部第一課長、第二課長、文化事業部文部書記官といった要職を歴任しました。また、シカゴ領事、マニラ総領事、在ポーランド公使館一等書記官、在ポーランド大使館一等書記官を務めるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

京都府知事として

1945年10月、木村は地方長官大異動の際に、進駐軍との交渉能力を買われ、官選の京都府知事に就任しました。戦後の混乱期における地方行政の立て直しに尽力し、その手腕を発揮しました。1947年3月に知事選挙に出馬するために退官し、同年4月には初の公選府知事に選出されました。知事在任中（1947年4月12日から1950年4月2日まで）は、食糧増産を中心とした農村振興策、林業対策、国土復興を重点目標とする「産業五ヶ年計画」を推進し、京都府の復興に尽力しました。また、京都府立西京大学（現在の京都府立大学）の設立にも貢献しました。

知事辞任後

1950年、京都市長選挙の選挙違反に問われたことで、木村は知事を辞任しました。その後は、京都証券取引所の理事長を務めました。

親族

長男の木村惇一は、1920年9月に東京府で生まれ、1943年に東京帝国大学法学部政治科を卒業後、高等文官試験行政科に合格し、逓信省に入省しました。総務局に配属され、大阪逓信局渉外室主査を経て、1947年12月には大津電話局長に就任しています。

栄典

1940年（昭和15年）8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を受章しています。

まとめ

木村惇は、激動の時代を生き抜き、日本の政治、行政、外交の各分野で多大な貢献を果たした人物です。特に京都府知事としては、戦後の復興期における府政の立て直しに尽力し、その功績は今もなお語り継がれています。

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