木村栄 (政治家)

木村栄の生涯と業績

木村栄（きむら さかえ）は、1910年12月4日に島根県八束郡古江村（現在の松江市）で誕生し、1991年12月31日に亡くなった政治家であり農民運動家です。彼の生涯は、戦前・戦後の日本における農民の権利や生活改善を求める活動に捧げられました。

若き日の活動

木村は松江中学校（現在の島根県立松江北高等学校）に通っていましたが、3年間で中退し、1929年に文学を志して東京へ赴きました。しかし、6ヶ月後には帰郷し、その後農民運動に参加しました。彼は全国農民組合島根県連の青年部書記を務め、農民の権利擁護に尽力しました。

1931年には治安維持法違反によって起訴されるという厳しい試練を経験しましたが、その後も若松汽船の大阪出張所や山陰道産業で働き、自身で陸上小運搬業を経営するなど多岐にわたって活動を続けました。

戦後の政治活動

第二次世界大戦後、木村は日農島根県連の結成に参加し、書記長として農地改革の推進に努めました。彼は日本共産党に入党し、1947年4月に実施された第23回衆議院議員総選挙で島根県全県区から共産党公認で立候補し見事初当選を果たします。続いて1949年1月の第24回総選挙でも再選され、衆議院議員としての地位を確立しました。彼の議員としての活動は、連続して2期にわたりました。

その後の人生

1958年の第28回総選挙に立候補しましたが、残念ながら落選しています。この結果を受けて、木村は共産党を離党し、自らの立場から新たな取り組みを行うべく島根県農民協議会を結成しました。彼の政治的活動は農民の生活や権利の向上を目指し、地域に根ざした運動を展開しました。

著作と影響

木村は自身の経験や知見をもとに、1988年には『農民運動雑録：島根県の戦前戦後』という著作を刊行しました。この作品は、彼の生涯を通じての農民運動の歴史を物語っており、政治活動や農民運動の重要性を後世に伝える一助となっています。

結び

木村栄は、戦前から戦後にかけての農民運動を牽引した人物であり、彼の活動は島根県だけでなく、広く日本の農業政策や農民の権利に影響を与えました。彼の生涯は、当時の社会状況や農民の声を反映しており、今日の農民運動や政治においても多くの示唆を与えるものです。彼の業績は、今後も大切にされ続けることでしょう。

もう一度検索