木村正辞

木村 正辞とは

木村正辞（きむら まさこと、1827年5月1日 - 1913年4月11日）は、明治時代に活躍した日本の国学者、国文学者です。彼は幼名を荘之助といい、号は欟斎で知られています。正辞は国文学の分野、とりわけ『万葉集』に関する深い研究で名を馳せました。

生い立ちと教育

木村は下総国埴生郡成田村、現在の千葉県成田市に生まれました。彼は幼少期から学問に熱心であり、伊能穎則から国学を、岡本保孝から音韻学を学びました。その後、和学講談所や水戸藩の駒込文庫に勤務し、知識を深めていきました。

官歴と学術活動

維新後、木村は史料編集に従事し、大学の助教を皮切りに神祇官や太政官、文部省、司法省など多くの官職を歴任しました。また、帝国大学文科大学や高等師範学校の教授としても、彼の学問的影響を広めていきました。その過程で彼は多くの著作を発表し、特に『万葉集』に関する研究が高く評価されました。

学問的業績

1880年代から1900年代初頭にかけて出版した著作には、『万葉集書目提要』や『万葉集訓義弁証』があり、これらは非常に重要な資料とされています。特に『万葉集訓義弁証』や『万葉集総釈』は、その後の研究において多くの学者に影響を与えました。また、彼は珍しい書物のコレクターとしても知られ、収集した資料は学問の礎となりました。

木村は1890年に東京学士会院の会員となり、後に帝国学士院の会員にも選ばれました。1901年には文学博士の称号も授与され、彼の学問上の成果が公式に認められました。そして、1902年には文部省国語調査委員会の委員に任命され、日本語の調査と研究に貢献しました。

晩年と死去

彼の生涯は、国文学の発展に尽力したものであり、1913年に腎炎により死去しました。木村正辞の業績は、国文学の分野での基盤を築いたことから、今なお評価されています。

栄典と著作

木村は1884年に正六位に昇進し、国文学界での地位を確立しました。著作は多数にわたり、主なものには「日本略史」、「日本史要」、「万葉集古義存疑」などがあります。また、彼の研究は後の世代の研究者によっても受け継がれ、参考資料として利用されています。特に『万葉集』に関する著作は今でも多くの研究者によって引用され続けています。彼の貢献は日本文学の発展において特筆すべきものであり、今日においても国文学研究の重要な礎となっています。

もう一度検索