木村茂 (野球)

木村 茂（きむら しげる）は、1975年11月8日に千葉県市川市で生まれた、日本の元プロ野球選手（投手）。ダイナミックなオーバースローから繰り出す速球と鋭いフォークボールを武器に、プロ野球の福岡ダイエーホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）で活躍した。

アマチュア時代

野球との出会いは小学4年生の時であった。千葉商科大学付属高等学校に進学後、控え投手という立場ながら、チームは3年夏の県大会でベスト8まで勝ち進んだ。卒業後、千葉商科大学へ進み、大学野球の世界に身を投じる。大学時代は、後にプロ入りする高橋光信選手を擁する国際武道大学が強豪として君臨するリーグにおいて、チームとして全国大会への出場は果たせなかったものの、木村自身は個人として輝かしい成績を収めた。特に、2年生の秋季リーグでは最多勝とベストナインに選出され、4年生の春季リーグではリーグの奪三振王に輝くなど、エース級の活躍を見せた。リーグ戦通算では22勝を挙げる実績を残している。また、地元千葉県で開催された日米大学野球選手権においては、リーグ選抜チームの一員としてマウンドに上がる機会を得た。

大学卒業にあたり、NTT関東への入社が内定していたものの、幼い頃からの夢であったプロ野球選手への道を諦めきれず、1997年のプロ野球ドラフト会議を待つ。結果、福岡ダイエーホークスから3位という上位で指名を受け、プロ野球選手となることを決意した。これにより、生まれ育った市川市を一旦離れ、新たな挑戦の地へと移ることになった。

プロ野球選手として（福岡ダイエーホークス時代）

1998年から2004年までの7年間、福岡ダイエーホークスの投手としてプロのマウンドを踏んだ。背番号は一貫して「32」を着用。プロ入り一年目の1998年に5試合に登板してプロでの第一歩を踏み出す。その後、2000年に1試合、そして2002年には自己最多となる7試合に登板するなど、主に中継ぎとしてチームに貢献した。

投球フォームは、上から投げ下ろす力感あふれるオーバースロー。最速153km/hを記録したパワフルなストレートと、空振りを奪える鋭いフォークボールが持ち味であった。しかし、大学時代からの課題として指摘されていた制球難は、プロのレベルにおいても最後まで完全に克服することができず、安定した投球を続ける上で大きな壁となった。

2002年に一定の登板機会を得たものの、翌2003年以降は再び一軍での登板機会に恵まれず、プロの厳しい競争の中で苦しんだ。そして、2004年シーズン終了後、球団から戦力外通告を受け、惜しまれつつも現役生活に終止符を打つこととなった。

プロ野球選手としての主な記録は以下の通りである。

初登板: 1998年4月21日、福岡ドームで行われた対千葉ロッテマリーンズ1回戦。8回表にチームの4番手として救援登板したが、2安打1四球を与え3失点で降板した。
初奪三振: 1998年6月27日、福岡ドームでの対西武ライオンズ10回戦。8回表、相手打者のドミンゴ・マルティネスから三振を奪い、プロでの初奪三振を記録した。

現役引退後

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、木村茂氏は福岡市内に留まり、第二の人生を歩み始めた。雑貨店や岩盤浴サロンなどの事業を手がける商社に就職し、会社員として新たな分野での経験を積んだ。

その後、自身が生まれ育った故郷である千葉県市川市へ戻ることを決断。現在は、現役時代に鍛錬を重ねた母校、千葉商科大学の硬式野球部でコーチを務めている。プロでの豊富な経験や知識を活かし、未来のプロ野球選手を目指す学生たち、そして野球というスポーツに情熱を燃やす若者たちの指導にあたり、後進の育成に力を注いでいる。

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