未来放浪ガルディーン

未来放浪ガルディーン：文明崩壊後の世界を駆け巡る冒険活劇

1986年から刊行されている火浦功によるライトノベル『未来放浪ガルディーン』は、出渕裕によるイラストが彩る近未来的な戦国時代を舞台にした物語です。文明崩壊後の荒廃した世界で、強大なヴァルマー帝国の支配に対抗する者たちは、ほとんど壊滅状態に陥っていました。

強大な帝国と、生き残った王女

物語の中心人物は、フレイヤー家の王女コロナです。男として育てられた彼女は、並外れた身体能力を持つ一方で、世間知らずな一面も持ち合わせています。彼女は、父の仇であるヴァルマー帝国の皇帝ジョージを討ち取るも、そのことで帝国の追われる身となります。

奇妙な仲間たちとの放浪の旅

逃亡の最中、コロナはシャラ＝シャールという謎めいた美少女（実際は男性）と、詐欺師のスリム・ブラウンと出会います。彼らはそれぞれに事情を抱えながらも、コロナと共に旅を続けることになります。そして、彼らの前に現れたのは、旧世紀の巨大機動メカ、T-178ガルディーンでした。自律型であるガルディーンは、歌ったり踊ったりと意外な一面を見せつつも、強力な戦闘能力を備えています。

個性豊かな登場人物たち

本作には、魅力的なキャラクターたちが数多く登場します。

コロナ・フレイヤー: 男勝りで武勇に優れた王女。ネズミが苦手という意外な弱点も。
シャラ＝シャール: 可憐な外見とは裏腹に、謎多き過去を持つ人物。ガルディーンに関する知識を持っているようです。
スリム・ブラウン: ずる賢く、口先だけで生きていく詐欺師。ギャンブル好きだが、運には恵まれない。
T-178ガルディーン: 自称「オーガニックエンフォーサー」。戦闘能力は高いものの、よくコロナに怒られている。
ジョージ・ヴァルマー: ヴァルマー帝国の皇帝、無謀な戦略で帝国を築き上げた。
キリー・レステス: ヴァルマー帝国乗っ取りを企む陰険な人物。寒い冗談をよく言う。
ベリアル少佐: キリーの忠実な部下。コロナ抹殺を命じられるが、いつも失敗している。
アルタミラ・カーン: トロイの教育係。美人だが、性格は厳しい。
トロイ・ヴァルマー: ジョージの息子で、おっとりとした性格の王子。
ブラスターキッド・レーベンブロイ: ハードボイルドな賞金稼ぎ。コロナの首を狙っている。

他にも、コロナの父親であるガイや、原子力潜水艦コーラルリーフ、捕鯨戦艦の船長エイハブ沖田など、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。ますこみ族という、常に事件現場に現れる取材班も登場し、独特な雰囲気を醸し出しています。

アニメ企画から生まれた小説

『未来放浪ガルディーン』は、当初アニメーション企画として構想されました。ゆうきまさみの漫画の影響を受け、火浦功と出渕裕によって企画されましたが、アニメ化は実現せず、小説として出版されることになりました。そのため、小説でありながら、巨大ロボットが登場するという、当時としては珍しい作品となっています。

多様なメディア展開

小説の他に、イメージアルバム『大歌劇。』やカセットブック『大熱血。』といった関連作品も存在します。角川文庫、角川スニーカー文庫から計5巻の本編と2巻の外伝が刊行されており、長年にわたって愛され続けている作品です。

まとめ

『未来放浪ガルディーン』は、個性豊かなキャラクターと、ユーモラスな展開、そして巨大ロボットという要素が魅力的な作品です。文明崩壊後の世界を舞台にした冒険活劇は、読者に爽快感と、独特の世界観への没入感を与えてくれます。 独特な設定と魅力的なキャラクター、そしてテンポの良いストーリー展開は、多くのファンを魅了し続けています。

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