末弘威麿

末弘威麿：激動の時代を駆け抜けた公家出身の地方官僚、経済人

末弘威麿（すえひろ たけまろ）は、万延元年（1860年）に生まれ、昭和2年（1927年）に没した明治時代の人物です。右大臣・徳大寺公純の四男として京都に生を受けました。

名門に生まれるも、波乱の人生

兄には公爵・徳大寺実則（内大臣）、公爵・西園寺公望（第12・14代内閣総理大臣）、伯爵・中院通規がおり、弟には男爵・住友友純（15代住友吉左衛門）がいるという、名門中の名門に生まれ育ちました。

兄である西園寺公望がフランスへ留学する際、西園寺家の後継者が不在になることを憂慮した父の命により、急遽、公望の養子となります。しかし、飛行機の研究に多額の資産を費やすなど、素行が悪く、浪費癖が問題視され、西園寺家の後継者の座を廃されてしまいます。実家の徳大寺家からも入籍を拒否されたため、母方の末弘家を継ぐこととなりました。

その後、西園寺家は長州藩最後の藩主であった公爵・毛利元徳の八男・八郎を公望の長女・新子の婿養子に迎え、後継者としています。

立命館との関わり

明治25年前後に明治法律学校（明治大学）で学び、茨城県の官僚を経て、朝日生命（現在の大同生命保険）の監事として財界に身を置きます。明治33年（1900年）には、中川小十郎が開設した京都法政学校（のちの立命館大学）の会計監査に就任。その後、財団法人立命館の学園理事となり、昭和2年（1927年）に亡くなるまで、学園の運営に尽力しました。

系譜

末弘威麿は、東山天皇の男系七世子孫にあたります。東山天皇の孫（閑院宮直仁親王の子）で鷹司家を継いだ鷹司輔平の男系後裔でもあります。

その他の情報

末弘威麿は、西園寺記念館や私塾立命館とも関わりがあります。

＜懐かしの立命館＞末弘威麿と立命館も参照してください。

このように、末弘威麿は、公家出身でありながらも、時代の波に翻弄されながらも、地方官僚、経済人として活躍し、立命館の発展に大きく貢献した人物です。彼の波乱万丈な生涯は、現代を生きる私たちにとっても、多くの示唆を与えてくれるでしょう。

もう一度検索