徳大寺公純

徳大寺公純（とくだいじ きんいと）は、幕末期の公卿で、権大納言、内大臣、右大臣を歴任しました。幼名は祐君と称しました。

来歴

鷹司輔煕の庶長子として生まれ、祖父である鷹司政通の子として秘匿された後、徳大寺実堅の養嗣子となり家督を継ぎました。1850年には権大納言に任じられ、1857年には議奏となりました。

1858年、通商条約勅許問題が発生すると、公純は条約勅許に反対したため、井伊直弼による安政の大獄で「悪謀企策の者」として逮捕され、50日間の謹慎処分を受けました。しかし、実際には1ヶ月で罪を許されています。

その後、公武合体運動を推進し、二条斉敬らと共に活躍しましたが、和宮の徳川家茂への降嫁には反対の立場を取りました。このため、幕府からの圧力を受けて失脚しますが、後に復帰して執政となりました。こうした政治的変動の中で、公純自身も命を狙われることがあり、1863年には家臣の滋賀右馬允が公武合体に反対する浪士たちに殺害されています。

明治維新後も、公純は攘夷派公家としての矜持を保ち、京都に留まりました。洋装の客に対しては、たとえ身内であっても決して会おうとしなかったと言われています。しかし、それはあくまで自身の信念に基づくものであり、息子である西園寺公望のフランス留学実現のために陰で奔走したのは公純であったとされています。

1883年、63歳で薨去しました。墓所は京都市の金戒光明寺にあります。

家族・親族

公純には、徳大寺実則（宮内大臣）、西園寺公望（第12・14代内閣総理大臣）、末弘威麿（財団法人立命館理事）、住友友純（15代住友吉左衛門）など、多くの著名な子孫がいます。公純は生前に正式な婚姻を行わなかったため、これらの子供達はすべて庶子として扱われています。

系譜

東山天皇の男系六世子孫であり、東山天皇の孫である鷹司輔平の男系後裔にあたります。

徳大寺公純は、幕末の動乱期から明治にかけて、公家として独自の道を歩んだ人物でした。彼の行動や思想は、当時の社会情勢や人々の考え方を反映しており、歴史を考察する上で重要な要素となっています。

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