末木文美士

末木 文美士について

末木文美士（すえき ふみひこ、1949年9月6日生まれ）は、日本の仏教学者であり、国際日本文化研究センターの名誉教授、総合研究大学院大学（総研大）名誉教授、そして東京大学名誉教授です。彼の主な研究分野は日本思想史であり、特に日本仏教を中心とした思想や宗教史を探求しています。

経歴

末木は1949年に山梨県甲府市で誕生し、甲府第一高等学校で学びました。在学中、嶋田義仁や五十嵐勉との友情が芽生えました。1968年に高校を卒業後、東京大学文学部に進学し、印度哲学専修課程を選びました。1973年に卒業した後は同大学院に進み、1978年には博士課程を課題を残して退学。その後は東京大学文学部助手としてキャリアをスタートし、1981年には東方研究会専任研究員、1986年には助教授に就任しました。さらに1993年に学位論文を提出し、文学博士の称号を獲得し、1995年には教授に昇進しました。

2009年に東京大学を退任した後、名誉教授の地位を得て、国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻教授を兼任とし、2015年に退任し名誉教授となりました。2011年からは比較思想学会の会長を務めています。

受賞歴

彼の業績は評価されており、特に第68回毎日出版文化賞（企画部門）を、『仏教の事典』の共同編集により受賞しています。

研究内容

末木の研究は日本仏教や日本思想史に集中しており、特に中世仏教史において名を馳せていますが、近年では近現代の仏教思想にも視野を広げています。彼は従来の日本の近代思想史の研究が福澤諭吉や丸山眞男の社会思想に偏っていたと指摘し、深い精神史を探求しています。

師や指導学生

彼の指導を受けた人物には、聖徳太子研究で知られる早島鏡正や、本覚思想・法華経研究の田村芳朗がいます。また、東京大学の先輩には橋本治がいて、お互いの著作に解説を寄せ合っています。彼の教え子には西村玲が名を連ねています。

歌人としての一面

末木は高校時代から短歌を作り始め、上京後には宮柊二の結社『コスモス』に加わりました。短歌創作は続けながらも、学問を優先し短歌界とは一定の距離を持つようになりました。彼の妻、節子も短歌を詠む歌人です。

論争

彼は東日本大震災を天罰とする意見を表明し、これが激しい批判を招きました。この論争は長期間続いたもので、2011年には名古屋での討論会が開催されました。

家族

彼の父は哲学者の末木剛博であり、弟の恭彦は中国哲学の専門家で駒澤大学教授です。末木の業績は数多くの著書によって証明されており、彼は仏教の歴史や思想に関する幅広い視点を提供しています。

著書

著作には、単著や共編著など多くの形式があり、仏教や日本文化についての深い知見が見受けられます。特に『仏教の事典』や『近代国家と仏教』など、重要な研究を展開しています。彼の研究は、多くの学びを提供し、読者に新しい視点を提示しています。

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