末永國紀

末永國紀（すえなが くにとし、1943年2月 - ）は、日本の地方経済史研究において著名な学者であり、同志社大学の名誉教授を務めています。彼の研究は、特に近江商人の経営史に焦点を当て、その独特なビジネス哲学である「三方よし」の現代的意義を明らかにすることに貢献しています。

生い立ちと学歴

末永國紀は、1943年2月に福岡県遠賀郡香月町（現在の北九州市八幡西区）で生まれました。1967年に同志社大学経済学部を卒業後、同大学院経済学研究科博士課程に進み、1973年に単位取得退学しました。その後、研究を続け、1997年に「近代近江商人経営史論」で経済学博士号（同志社大学）を取得しました。

研究者としてのキャリア

1973年、末永國紀は京都産業大学経済学部の専任講師として教鞭を執り始め、1978年に助教授、1985年に教授に昇任しました。1990年には、同志社大学経済学部の教授に就任し、2013年に定年退職するまで、多くの学生を指導しました。退職後、同志社大学名誉教授の称号を受けました。

社会的活動

末永國紀は、研究活動に加えて、社会的な活動にも積極的に参加しています。1988年には財団法人近江商人郷土館の館長に就任し、1996年には滋賀県近江商人研究ネットワーク委員会の座長を務めました。これらの活動を通じて、近江商人の歴史や文化の普及に貢献しています。

主な著書

末永國紀は、近江商人に関する多くの著書を発表しています。代表的な著書としては、以下のようなものがあります。

『近代近江商人経営史論』（有斐閣、1997年）
『近江商人 現代を生き抜くビジネスの指針』（中央公論新社、2000年）
『近江商人学入門 CSRの源流「三方よし」』（サンライズ出版、2004年）
『日系カナダ移民の社会史 太平洋を渡った近江商人の末裔たち』（ミネルヴァ書房、2010年）
『近江商人三方よし経営に学ぶ』（ミネルヴァ書房、2011年）
『近江商人と三方よし 現代ビジネスに生きる知恵』（モラロジー研究所、2014年）

これらの著書を通じて、末永國紀は近江商人の経営哲学である「三方よし」（売り手よし、買い手よし、世間よし）の重要性を説き、現代ビジネスにおけるCSR（企業の社会的責任）の源流として位置づけています。

末永國紀の研究は、地方経済史の分野において重要な貢献をしており、彼の業績は広く評価されています。

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