本光国師日記

『本光国師日記』の概要

『本光国師日記』（ほんこうこくしにっき）は、江戸時代初期に活躍した禅僧、金地院崇伝が記した日記です。日記は慶長15年（1610年）から寛永10年（1633年）まで、実に20年以上にわたって綴られたもので、その内容は貴重な歴史資料となっています。原題は『案紙』で、全47巻から成り、そのすべてが金地院によって保管されています。特に、国の重要文化財に指定された『紙本国書本光国師日記』は、その歴史的価値から注目されています。

日記の構成と内容

日記には、書状の写しや日常の出来事などが記されており、金地院崇伝の視点を通じて当時の社会情勢や政策を知る手がかりが提供されます。崇伝自身、幕府の政策決定に深く関与しており、寺社や朝廷に対する幕府のアプローチや側面を理解する上で重要な情報源です。特に彼の記録は、当時の宗教界や政治の関わりについての理解を深めるために欠かせません。

歴史的意義

さらに、江戸時代の初めという特異な時代背景の中での、崇伝の日記は新井白石などの後の学者たちにも注目されました。1713年には彼がその重要性を認識し、金地院に対して写本の提出を命じました。この時記録された内容には、47冊の巻物が存在したとされていますが、1904年には46冊として記録され、現在確認できるのは『内閣文庫所蔵の写本』のみです。このように、日記は時代を超えて多くの学者や興味を持つ人々に影響を与え続けています。

出版と流通

『本光国師日記』は、1915年から1922年にかけて仏書刊行会によって全5巻として出版され、その後も『新訂 本光国師日記』として1966年から1971年にかけて全7巻の形で刊行されました。これにより、より多くの研究者や興味を持つ人々がこの重要な文献にアクセスできるようになりました。

関連資料とリンク

資料は国立国会図書館や国文学研究資料館などで閲覧可能であり、特に『大日本仏教全書』シリーズには日記の各巻が収められています。これは、研究や学習を進める上で非常に価値のある情報源となっているのです。

また、国文書館や文化庁では、文化財としての価値が高く、広く一般に公開されています。

結論

『本光国師日記』は、金地院崇伝の視点を通して、江戸時代初期の社会や政治、宗教の様相を知るための格好の資料であり、その重要性は今なお色あせることがありません。研究や学習をする際には是非とも参照したい資料です。

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