本城常光

本城常光（ほんじょう つねみつ）

本城常光は、戦国時代の武将であり、石見国（現在の島根県西部）の山吹城主としてその名を知られています。彼は、安芸国（現在の広島県）と石見国に勢力を持っていた国人・高橋氏の一門に属し、藤原氏を本姓としていました。

生涯

尼子氏への仕官と離反

常光は初め、尼子経久に仕えましたが、その後の当主・尼子晴久の時代、天文9年（1540年）からの吉田郡山城の戦いで尼子氏が大敗を喫すると、大内義隆に服属しました。しかし、大内義隆が天文12年（1543年）に出雲国に侵攻して再び大敗すると、常光は再び尼子氏の家臣となりました。

山吹城代としての活躍

常光は武勇に優れており、忍原崩れや降露坂の戦いなどでその名を轟かせました。その才能を見込んだ晴久によって、石見最前線である山吹城の城代に任ぜられます。石見国の国人でありながら、尼子氏の直臣と同等の扱いを受けていたことからも、彼の能力と信頼の高さがうかがえます。

毛利氏の侵攻と最期

永禄4年（1561年）、尼子晴久が死去し、毛利元就が石見国に侵攻してくると、雲芸和議によって晴久の嫡男・義久が毛利氏と一方的に和睦しました。これにより、反毛利側として乱を起こした福屋氏を支援していた常光を含む石見尼子方の武将たちは動揺し、ついには居城である山吹城を毛利軍に包囲され、降伏を余儀なくされました。

しかし、永禄5年（1562年）、常光の武勇と性格に対する猜疑心から、毛利元就によって常光は誅殺されてしまいます。この常光の処断は、毛利側に寝返っていた尼子側の国人の多くを再び尼子側へと寝返らせる結果を招き、毛利氏が出雲を平定するまでに4年もの歳月を要することとなりました。その一方で、第一次月山富田城の戦いの経緯から、一定の評価もなされています。

また、元就の兄・毛利興元の妻が常光の姪であったことや、常光の兄である高橋氏が安芸国において毛利氏よりも多くの所領を有していたことも、元就が常光を警戒した一因として指摘されています。

子孫

常光の次男・本城春政は吉川元春に仕官し、その子・家房も元春の三男・吉川広家に仕えて、岩国藩士として幕末まで家系が続きました。

関連作品

* 『毛利元就』（1997年、NHK大河ドラマ、演：武岡淳一）

本城常光は、その武勇と悲劇的な最期によって、戦国時代の歴史に名を刻んだ人物です。

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