本多忠常

本多忠常（ほんだ ただつね）は、寛文元年（1661年）に生まれ、江戸時代前期から中期にかけて大名として活躍しました。彼は大和国郡山藩の第2代藩主であり、従五位下・能登守の官位を有していました。

生い立ちと初期の経歴

忠常は、本多忠義の六男として誕生しました。初代藩主である本多忠平の実は弟にあたります。延宝5年（1677年）閏12月26日には、従五位下、能登守に叙位・任官され、順調な出世を果たしました。

藩主就任と藩政

元禄8年（1695年）、兄である本多忠平の死去に伴い、その養嗣子として家督を継ぎ、郡山藩の藩主となりました。しかし、藩主就任後には様々な困難が忠常を待ち受けていました。

元禄12年（1699年）には、城下町を襲った大火、江戸屋敷の火事、さらには京都御所の造営といった出来事が重なり、これらの再建・造営費用が藩財政を圧迫しました。忠常は財政難に苦しみながらも、藩政の維持に尽力しました。

宝永4年（1707年）10月10日には、四兄である忠晴の長男・忠直を養子に迎え、後継者としました。

死去とその後

宝永6年（1709年）4月17日、本多忠常は49歳で死去しました。跡を継いだのは養子の忠直でした。忠常の墓碑は大和郡山市の指定文化財となっており、林信篤によってその墓碑には忠常一代の経歴が刻銘されています。この墓碑は、忠常の生涯を今に伝える貴重な資料となっています。

系譜

父：本多忠義（1602年 - 1676年）
母：不詳
正室：浅野綱晟娘
養子
男子：本多忠直（1670年 - 1717年） - 本多忠晴（忠義の四男）の長男
女子：冨姫 - 本光院、黒田吉之正室、本多忠利（忠義の次男）の娘

人物

本多忠常は、藩主として藩政に尽力しましたが、不運にも相次ぐ災難に見舞われ、財政難に苦しみました。しかし、その苦境の中でも藩を維持しようと努めた姿勢は評価されるべきでしょう。また、文化財として残る墓碑は、彼の生涯を物語る上で重要な存在となっています。

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