本庄国房

本庄国房について

本庄国房（ほんじょう くにふさ）とは、鎌倉時代後期に活躍した武将であり、武蔵国の児玉郡本庄（現在の埼玉県本庄市）を中心に活動していました。彼は児玉党に属する本庄氏の四代目であり、本庄氏は時家系本庄氏の嫡流とされています。その通称は左衛門太郎で、父として本庄太左衛門泰房が系図に記されています。

発生と系譜

国房は、児玉党本宗家である庄氏から派生した本庄氏を継いだと考えられています。系譜上では、国房は本庄四郎左衛門尉時家の曾孫となり、その生誕地は北堀地内の本田館であったとされています。ただし、彼がいつ生まれたのかは定かではなく、所領の問題からも13世紀の中頃から末にかけての生まれと推測されています。

所領争いの背景

正和3年（1314年）7月23日、国房は由利頼久との間に激しい争いを繰り広げました。この争いは本庄内の生子屋敷と立野林に存在した畠地を巡るもので、鎌倉幕府による裁定の結果、頼久側にその知行が認められました。しかし、国房の末裔である本庄宮内少輔信明の所領には五十子（いらこ）が含まれており、国房以降、何らかの武力行使を通じて本庄氏がこの地を治めるようになったと考えられています。

特に、1291年に先立って同様の問題が発生していたことも記録されています。国房は地頭職を失い、また先代時家から代々受け継がれてきた地頭職を頼久に与えることとなりました。このことからも、国房と頼久の間でたびたび対立があったことが明らかです。

系図に関する混乱

その後の南北朝時代に入ると、児玉党や丹党などの武蔵武士団は南朝に属し、しばしば戦闘に参加し、これに伴い弱体化していきました。宥荘寺も延元2年（1337年）に焼失するなど、状況は厳しく、多くの系図が作成されたものの、その信憑性には疑問が残ります。国房以降の時家系本庄氏の系譜については不明な点が多く、複数の系図が存在することがさらに混乱を招いています。

薊山合戦の発生

延元2年（1337年）、本庄地域で起こった薊山合戦は、本庄氏と児玉氏にとって重要な戦闘でありました。この戦闘は安保原合戦と同時期に発生したため、両者が参加していたことが知られています。歴史書によれば、合戦中には児玉氏の菩提寺である西光寺が焼失し、戦乱が本庄台地に広がったことが描写されています。国房は五十子の所領争いの後23年後にこの合戦に関与していたと考えられ、彼自身の戦績にも影響を与えたことでしょう。

伝承と影響

戦後、児玉党はその弔いのための対策を講じたとされています。特に北畠顕家が金鑚神社で戦勝祈願を行ったという伝承があります。この神社は後世の武将たちにも信仰される存在であり、重要な歴史的な場所でした。薊山合戦においては、真下春行が討ち死にするという出来事が伝えられ、その戦闘が延元2年の9月から約3ヶ月間続いていたとの考察も存在しています。

結論

本庄国房の存在とその系図、所領争い、そして薊山合戦とその影響は、鎌倉時代の武士たちがどのように権力を巡って争っていたかを物語っています。将軍権力の変化、地頭職の喪失、そして親族間の対立が彼らの歴史に色濃く残り、本庄氏の系図の混乱が後世にどのように影響を与えたのかは、次世代の研究者たちにとって興味深いテーマとなるでしょう。

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