本村直樹 (ラグビー選手)

本村直樹

概要

青森県八戸市出身のプロラグビー選手、本村直樹（もとむらなおき）は、1992年 4月11日に生まれた。主にウィング（WTB）やフルバック（FB）のポジションを担い、現在はジャパンラグビーリーグワンに所属する三重ホンダヒートの主力選手としてプレーしている。彼の最大の武器は、卓越したスピードと鋭いステップ、そしてコンタクトを恐れない果敢な突破力である。これらの持ち味を生かし、チームのアタックラインで重要な役割を果たしている。また、15人制だけでなく、7人制ラグビーにおいても日本代表として長年活躍しており、世界の舞台で輝かしい実績を残している。

生い立ちとアマチュア時代

ラグビーとの出会いは、幼少期に遡る。兄がラグビーをプレーしていた影響を受け、自然と自身も楕円球を追いかけるようになった。ラグビーへの情熱は、地元青森県の県立八戸高等学校に進学した後も続き、高校ラグビー部で競技者としての基礎を築いた。高校卒業後、さらなるレベルアップを目指し、ラグビーの強豪として知られる筑波大学へ進学。大学時代には、恵まれた身体能力と才能が開花し、特に7人制ラグビーにおいては、その将来性を高く評価され、学生日本代表にも選出されるなど、早くから頭角を現していた。大学での経験は、彼がプロの世界、そして日本代表として戦う上で不可欠な土台となった。

プロキャリア

筑波大学での充実した4年間を終え、2016年にジャパンラグビートップリーグに所属していたHonda Heat（現在のジャパンラグビーリーグワン所属、三重ホンダヒート）に加入し、プロラグビー選手としてのキャリアを本格的にスタートさせた。ルーキーイヤーから即戦力として期待され、同年8月27日に行われたトップリーグの開幕戦、宗像サニックスブルース戦に先発出場し、記念すべき公式戦デビューを果たした。以来、三重ホンダヒートのバックス陣の中核を担う選手として、常に高いパフォーマンスを維持している。リーグワンでの戦いにおいて、彼のトライゲッターとしての能力や、最終ラインでの堅実な守備は、チームにとって欠かせない要素となっている。

7人制日本代表での活躍

本村選手のラグビーキャリアの中でも、特に印象的なのは7人制ラグビー日本代表での活動である。15人制とは異なる展開の速さと高い運動量が求められるセブンズの世界で、そのスピードとアジリティを最大限に発揮。2017年に初めて日本代表スコッドに選ばれると、以降、ワールドシリーズなどの国際大会に継続的に出場し、経験を積んだ。2019年には、セブンズ日本代表のキャプテンという重責を任され、若手選手が多いチームを精神的にも牽引した。そして、選手として最大の目標の一つであるオリンピック出場を実現。新型コロナウイルス感染症の影響で1年延期となった東京2020オリンピックでは、7人制ラグビー日本代表のメンバーとして正式に選出され、世界の強豪相手に堂々たるプレーを見せた。この経験は、彼の選手としての成長に大きく寄与した。さらに、2024年7月には、パリで開催されるパリ2024オリンピックに向けた7人制日本代表の候補となり、バックアップメンバーとしてチームに帯同することとなった。これは、彼が長きにわたり日本ラグビー界におけるセブンズのトップレベルに立ち続けていることの何よりの証拠と言えるだろう。

人物とプレースタイル

身長184cm、体重88kgと、バックスプレーヤーとしてはフィジカル的にも恵まれた選手である。主にウィングやフルバックとして、広いスペースでのランニングスキルと、アングルを変えた切れ味鋭いステップ、そして相手を弾き飛ばす力強いコンタクトでディフェンスラインを破る能力に長けている。トライを取り切るための嗅覚も鋭く、決定的な仕事を何度もこなしてきた。チームメイトやファンからは、「ウッディ」や「もっくん」といった愛称で親しまれている。ラグビーに対する真摯な姿勢と、常に向上心を持ち続ける姿勢は、周囲からの信頼も厚い。

所属チーム

三重ホンダヒート（ジャパンラグビーリーグワン）

主なポジション

ウィング（WTB）
フルバック（FB）

主な実績

7人制ラグビー学生日本代表選出
7人制ラグビー日本代表選出
7人制ラグビー日本代表主将
東京2020オリンピック 7人制ラグビー日本代表
パリ2024オリンピック 7人制ラグビー日本代表バックアップメンバー