本覚無雙流

本覚無雙流（ほんがくむそうりゅう）

概要

本覚無雙流は捕手術を主要な表現とする流派であり、肥前国小城郡の多久において発展しました。この流派は、時代背景や流派間の影響を受けながら、捕手の技術を中心に形成され、多くの派生流派の原点となっています。

歴史

本覚無雙流は、靏覚右衛門長関によって創設されました。彼がこの流派を確立し、続いて二代目として靏市右衛門尉勝久が流派を引き継ぎました。肥前国の多久には、捕手の様々な流派が存在しており、本覚無雙流はその中の一つとされています。捕手は元々一つの技術体系から発展したと考えられ、様々な流派が誕生しました。幕末期には、副島五郎右衛門豊重が本覚無雙流の家元として師家を務め、彼は健児という身分で深江順暢の部下であります。

技法

本覚無雙流の技術は、主に捕縛の技術に焦点を当てた内容で構成されており、伝書には捕縛に関する多くの技が記されています。流派により技の名称や順番に若干の違いが見られますが、基本の内容は共通しています。技術は、体術を含む捕形、縄、太刀、極意の四つの体に分類されます。

捕形

捕形の技のいくつかは以下の通りです：

• - 四方取、脇捕、居合、向詰
• - 壁副、張詰、捲手、使者取
• - 乱取、引廻、後捕、書狀渡
• - 對决詰、打込、奏者取、張落
• - 御前取、小太刀取、突手、括棒取
• - 棒詰、行合、追懸、立逢、武者組
• - 喧嘩詰、棒之習

縄

縄に関する技術は次の通りです：

• - 早縄、十文字、高手、舛形
• - 御前縄、検對縄、國渡
• - 真之胸割、草之胸割、芝引
• - 切綱、縄請取渡、囚請取渡、放囚人請取渡

太刀

太刀の使用技術には、以下が含まれます：

• - 打込、流シ、落葉打、突手
• - 十文字、手裏剣、三方搦、水影
• - 指太刀、短刀、二刀

極意

極意の技としては以下のものがあります：

• - 村雲返、木葉隠、霧詰、手裏剱詰
• - 鳴絃詰（銘劔詰）、三鈷詰、熱鉄詰、鞭詰
• - 不動之縄詰、天之下ヶ縄、火水取、捼取
• - 戸出戸入、屋探、屋篭取、忍之火
• - 明松、活、殺、風剱詰、法劔

伝えられた教訓

本覚無雙流には、他流への誹謗を戒める教訓や、不埒な行為を慎まなければならないという掟が存在しています。また、流派の持つ技術や教えに敬意を持ち、他者に対して謙虚であることが重要視されています。

系譜

本覚無雙流の系譜は以下の通り：
1. 靏覚右衛門長関
2. 靏市左衛門尉勝久（肥前国小城郡多久女山）
3. 副島善吾豊信　（肥前国小城郡多久西之原）
4. 副島彌五右衛門本矩
5. 上瀧孫右衛門義房
6. 副島五郎右衛門豊重

脚注

本覚無雙流は、その技術と哲学を受け継ぎながら、時代を超えて武道の一流派として存在を続けています。この流派の技術や考え方は、今なお武道関係者にとって貴重な教訓となっています。

もう一度検索