小城郡

小城郡の概要

小城郡（おぎぐん）は、かつて佐賀県（旧肥前国）に存在した郡です。その領域は、現在の佐賀市の一部、小城市の全域、多久市の大部分、そして杵島[[郡]]江北町の一部にまたがっていました。郡の歴史は古く、「をき」と読まれていた時代もあり、肥前国風土記には、土蜘蛛が防御に利用した「堡（おき）」が地名の由来であるという説が記されています。

歴史

古代

『和名抄』には、国府の名称として「乎岐（おぎ）国府」と記されていることもあります。平安時代には、川上郷、甕調郷、高来郷、伴部郷の四郷が存在しました。

中世

鎌倉時代には、元寇を機に下総の千葉氏が異国警固番役としてこの地に所領を得て土着し、祇園城を拠点に勢力を拡大しました。室町時代後期には、千葉氏は龍造寺氏とともに少弐氏を支えましたが、応仁の乱の頃に家督争いで東西に分裂し衰退しました。東千葉氏は大内氏と、西千葉氏は少弐氏と結び争いましたが、東千葉氏の滅亡後は、その旧臣たちは川久保神代家の家臣となり、西千葉氏は龍造寺隆信に従いました。

近世

江戸時代には、郡全域が佐賀[[藩]]領となり、その大部分は小城[[藩]]の所領となりました。小城[[藩]]は佐賀[[藩]]の支藩であり、初代藩主は鍋島勝茂の長男である元茂でした。

近代

明治時代初期には、廃[[藩置県]]により小城県、佐賀県、伊万里県、三潴県、長崎県と管轄が変遷しましたが、1878年に郡区町村編制法により行政区画としての小城郡が発足しました。その後、佐賀県に所属し、町村制施行により1町14村が成立しました。1894年には牛津村が町制を施行し、1897年には郡制が施行されました。

1923年に郡会が廃止、1926年には郡役所が廃止され、その後は地域区分名称となりました。昭和初期には町村の合併が進み、1954年には多久市が発足し郡から離脱。昭和30年代には、南山村、北山村が佐賀[[郡]]と合併し、牛津町と砥川村が合併しました。昭和40年代には、芦刈村、三日月村が町制を施行し、4町体制となりました。

現代

2005年、小城町、三日月町、牛津町、芦刈町が合併し、小城市が発足。これにより小城郡は消滅しました。これは、1896年の郡の再編以来、佐賀県内で初めての郡消滅となりました。

小城郡の変遷

郡の発足から消滅まで、その行政区分は変遷を重ねました。特に、明治から昭和にかけての町村合併は、郡の構造を大きく変化させました。以下に、主な変遷をまとめます。

1878年: 郡区町村編制法により小城郡発足
1889年: 町村制施行により1町14村が発足
1894年: 牛津村が町制施行
1923年: 郡会が廃止
1926年: 郡役所が廃止
1932年: 小城町、三里村、岩松村、晴田村が合併
1949年: 北多久村が町制施行
1954年: 多久市が発足し、郡から離脱
1956年: 南山村、北山村が佐賀[[郡]]と合併、牛津町と砥川村が合併
1967年: 芦刈村が町制施行
1969年: 三日月村が町制施行
2005年: 小城町、三日月町、牛津町、芦刈町が合併し小城市となり、小城郡が消滅

小城郡長

小城郡長を務めた主な人物として、野口能毅、辻永光、松尾豊次が挙げられます。

まとめ

小城郡は、佐賀県の歴史において重要な役割を果たした地域です。古代からの歴史を持ち、中世には武士の勢力争いの舞台となり、江戸時代には藩政が敷かれました。明治時代以降は、行政区画として変遷を重ね、最終的には市町村合併によりその歴史に幕を閉じました。しかし、この地域には、豊かな自然と文化、そして歴史が今も息づいています。

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