本間忠

本間 忠（ほんま ただし）

1977年8月5日生まれ、新潟県出身の元プロ野球選手（投手）であり、現在は野球指導者として活動しています。

若き日の球歴とプロへの道のり

新潟県新津市（現在の新潟市秋葉区）で育った本間忠氏は、野球人生のスタートをキャッチャーとして切りました。しかし、地元・新潟県内の強豪校である日本文理高等学校に進学後、投手へとコンバートされます。高校卒業後、大分県に位置する日本文理大学（同名の高校とは系列関係ではありません）に進みますが、残念ながら肩の故障に見舞われ、入学からわずか半年ほどで大学を中退し、新潟へと戻ることになります。

故郷で家業の工務店を手伝いながらも、野球への情熱は衰えず、新潟市を拠点とする社会人クラブチーム「ケンタッキー・サンダーズ」（後に「野田サンダーズ」と改称）で再び白球を追う日々を送ります。ここでプレーを再開してから約3年が経過した頃、都市対抗野球の予選で対戦したNTT信越の監督からプロ球団の入団テストを受けるよう勧められます。

1998年の秋には、読売ジャイアンツのテストに高野忍氏と共に合格するものの、その年のドラフト会議で指名されたのは高野氏のみで、本間氏は指名漏れという悔しい結果に終わりました。しかし、プロ入りの夢を諦めなかった本間氏は、翌1999年もテスト挑戦を続け、ヤクルトスワローズの入団テストに合格。同年秋のドラフト会議で6位指名を受け、念願のプロ野球選手となりました。

プロでの日々

ヤクルトスワローズに入団後、本間氏は主にリリーフ投手としてチームを支えました。貴重な中継ぎ左腕として一軍での登板機会を得ていましたが、プロ生活も終盤に差し掛かった2006年、右肩や肘など相次ぐ故障に苦しめられ、二軍でもシーズンの後半はマウンドに上がることができませんでした。

度重なる怪我の影響もあり、2006年10月3日に球団から戦力外通告を受け、プロ野球選手としての現役生活に終止符を打ちました。

プロ野球での主な記録

初登板: 2000年6月30日、対中日ドラゴンズ12回戦（ナゴヤドーム）、8回裏に4番手で救援登板・完了、1回無失点
初奪三振: 2000年7月28日、対横浜ベイスターズ15回戦（明治神宮野球場）、7回表に中根仁から空振り三振
初勝利: 2000年8月20日、対広島東洋カープ21回戦（明治神宮野球場）、7回表に4番手で救援登板・完了、3回1失点
初先発登板: 2001年5月26日、対横浜ベイスターズ9回戦（横浜スタジアム）、3回無失点
* 初ホールド: 2005年9月29日、対広島東洋カープ21回戦（広島市民球場）、12回裏に7番手で救援登板、2/3回無失点

プロ在籍期間の背番号は 66 （2000年 - 2009年）でした。

引退後の活動と指導者としてのキャリア

現役引退後、ヤクルト球団からは二軍のサブマネージャー就任を打診されましたが、高校の先輩であり、プロ経験者でもある吉田篤史氏（元ロッテなど）に相談するなど熟考を重ねた結果、故郷である新潟で指導者として野球に携わる道を選択します。

2007年からは、独立リーグであるBCリーグに所属する新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの投手コーチに就任。2009年までの3シーズン、若手選手の育成に尽力しました。契約期間満了に伴い新潟BCを退団した後は、元読売ジャイアンツの田中健太郎氏ら、同じくプロ経験を持つ仲間と共に野球教室「シンプル・ベースボール・アカデミー」を設立しました。

このアカデミーを通じて、新潟県内の様々な場所で、少年野球から社会人野球、さらには女子野球まで、幅広い年代とレベルの選手たちに対して技術指導を行っています。また、野球界への貢献はそれだけに留まらず、2014年には学生野球資格回復制度の研修を受け、アマチュア野球の指導が可能となりました。

同年からは、自身の母校である日本文理高等学校でも外部コーチとして後輩たちの指導にあたっています。プロ野球へと羽ばたいた教え子には、飯塚悟史氏、鈴木裕太氏、田中晴也氏らがいます。特に鈴木裕太氏は、本間氏と同じくヤクルトスワローズに入団しています。

奇しくも本間氏は、自身と同じく大工からプロ野球選手となった田畑一也氏（元ヤクルトなど）とヤクルト時代に同僚となり、その珍しい経歴から親交を深めたというエピソードも残っています。

選手として、そして指導者として、本間忠氏は新潟県の野球振興に貢献し続けています。

もう一度検索