本間正義 (美術評論家)

本間正義：日本の美術界に貢献した評論家

本間正義（1916年12月25日-2001年10月10日）は、20世紀日本の美術界において重要な役割を果たした美術評論家です。新潟県長岡市に生まれ、旧制長岡中学、旧制二高を経て、東京帝国大学文学部美学美術史学科を卒業しました。

輝かしいキャリア

東京国立近代美術館で次長を務めた後、1975年には大阪国立国際美術館長に就任。その後、1982年には埼玉県立近代美術館長に就任しました。これらの美術館長としての在任期間中は、革新的でユニークな企画展を数多く手がけ、「名物館長」として広く知られるようになりました。彼の館長としての手腕は、単に美術品の展示にとどまらず、美術館運営そのもののあり方にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

さらに、本間正義は国内外の主要な美術展で審査員を務めるなど、国際的な舞台でも活躍しました。サンパウロ・ビエンナーレのような国際的な美術展への関与は、彼の国際的な視野と高い評価を示しています。近代彫刻を専門としていた彼は、その専門知識を活かしつつ、美術館運営、企画、国際展の審査など、多岐にわたる分野で才能を発揮しました。美術評論家連盟会長という要職も務め、日本の美術界を牽引する存在でした。

著作活動

評論活動に加え、数多くの著作も残しています。単著としては『日本の美術 35 円空と木喰』、『私の近代美術論集1・2』、『円空と橋本平八』、『旅ゆけば写伯 随想』などがあり、日本の美術史や近代美術に関する深い知識と独自の視点が示されています。

また、共編著も多く出版しており、『抽象と幻想』『原色日本の美術 28 近代の建築・彫刻・工芸』『日本の名画』シリーズなど、多様なテーマを扱った作品を世に送り出しました。これらの共編著は、多くの専門家との協働を通じて、日本の美術に関するより幅広い知識を提供することに貢献しています。これらの著作は、今日でも美術史研究や美術鑑賞において重要な参考文献として利用されています。

多大な影響

本間正義の活動は、日本の美術界に多大な影響を与えました。美術館運営の改革、国際的な美術交流の促進、そして数々の優れた著作を通して、彼は日本の美術文化の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、現代日本の美術界の礎を築いたと言えるでしょう。 彼の息子はオーボエ奏者で古楽研究者として知られる本間正史氏（1947-2016）です。

まとめ

本間正義は、美術評論家、美術館長、そして教育者として、日本の美術界に大きな足跡を残しました。彼の生涯と業績は、日本の美術史を考える上で欠かせないものです。彼の功績は、単に美術史研究の分野にとどまらず、日本の文化全体の豊かさや多様性、そして国際的な交流の促進に大きく貢献したと言えるでしょう。 後世の美術研究者や美術愛好家にとって、本間正義は常に重要な存在であり続けるでしょう。

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