本間雅晴

本間雅晴の生涯

本間雅晴（ほんま まさはる）は、1887年11月27日に新潟県佐渡郡で生まれた日本の陸軍軍人であり、1946年4月3日に亡くなるまでの人生は波乱に満ちたものでした。彼は陸軍中将として、太平洋戦争におけるフィリピン攻略戦の指揮を執ったことで知られています。その戦歴において彼が果たした役割や彼の人柄、そして戦後の裁判に関する出来事を詳述します。

初期の経歴

本間は佐渡中学を経て、1907年に陸軍士官学校を卒業します。士官学校卒業後は、主に実戦部隊の指揮を経験することはなく、陸軍大学校を経て様々な役職に就きました。1915年には陸軍大学校を卒業し、その後は参謀本部に配属されるなど、着実にキャリアを積んでいきます。

フィリピン攻略戦

本間は1941年に第14軍司令官に任命され、太平洋戦争中のフィリピンにおける戦闘を指揮しました。彼が指揮する軍は、最初の段階でマニラ市を占領し、進撃は順調に進むかに見えました。しかし、バターン半島では米比軍による抵抗が激しく、多くの損失を被ります。結果的に、日本軍はバターン半島を占領し、約7万6千名の捕虜を捕らえましたが、その移送計画の不備により、多数の捕虜が命を落としました。

本間は指揮官として翌年を見越しつつ、マニラでの進軍中に将校たちに人道的配慮を促す厳命を下しました。彼の言葉は厳しく、「焼くな。犯すな。奪うな。」といった忠告を繰り返しましたが、バターン死の行進における部下の非人道的行為に対して責任を問われることとなり、戦後の裁判が彼を待っていました。

戦後の裁判と処刑

1942年に内地へ戻り予備役に編入された本間は、終戦を迎える。その後、バターン死の行進に関与したとして戦犯として起訴され、犠牲者に対する人道的配慮が認められず、最終的には死刑判決が下されました。彼の弁護団は最高裁に再審を要求しましたが、却下されることに。本間は1946年4月3日に銃殺刑に処され、その死は歴史の一幕として語り継がれています。

本間は処刑に臨む際、「最後の瞬間にまで名誉を重んじる」との姿勢を貫いたと言われています。

逸話と人柄

本間は、温和な性格で陸軍内で非常に英語に堪能であり、詩作にも秀でていました。また、友人である今村均大将との長年の交流や、彼の二度の結婚生活についても知られています。特に、二度目の妻である富士子が裁判で見せた毅然とした態度が高く評価され、その姿は周囲に感動を与えました。

さらに本間は晩年に、文武両道の名将ダグラス・マッカーサーに対して好意的な評価を寄せていましたが、皮肉にもそれが後の悲劇に繋がりました。彼の人生は、戦争の厳しさと人間ドラマが交錯するものとして、今も多くの人に語り継がれています。

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