札ノ辻駅

札ノ辻駅：京津線開業と共に栄えた、大津の街角

滋賀県大津市に存在した札ノ辻駅は、かつて京阪神急行電鉄（現・阪急電鉄）京津線に属する停留場でした。現在の京町一丁目交差点付近、滋賀県道558号高島大津線と京町通、北国海道の交差点に位置しており、京津線が最初に開業した際の大津側の終着駅という歴史的意義を持っていました。周辺は、古くからの町並みが残り、交通の要衝として賑わっていた様子が伺えます。

開業から廃止まで：激動の時代を刻んだ駅

札ノ辻駅は、1912年（大正元年）8月15日、京津電気軌道の終着駅として開業しました。それから13年後、1925年（大正14年）2月1日には会社合併により京阪電気鉄道京津線の駅となり、同年5月5日には札ノ辻駅から浜大津（現・びわ湖浜大津駅）へと路線が延伸されたことに伴い、途中駅へとその役割を変えます。その後、1943年（昭和18年）10月1日には陸上交通事業調整法に基づき、京阪電気鉄道が阪神急行電鉄と合併して京阪神急行電鉄となりました。しかし、1945年（昭和20年）5月15日、太平洋戦争の激化により、札ノ辻駅は休止、そして翌1946年（昭和21年）10月1日にはついに廃止という運命を辿ることになりました。

地理的背景と周辺環境：古都大津の中心地

札ノ辻駅は、大津市中心部に位置しており、古くから栄えた歴史的背景を持っています。駅周辺は、札の辻と京町1丁目（当時上京町）の境にあたり、複数の道路が交差する交通の要衝でした。古地図などを参照すると、駅周辺には商店や住宅が密集しており、活気に満ちた街並みが想像できます。また、北国海道という歴史的な街道も近くを通っており、古くから交通の要衝として重要な役割を果たしてきたことがわかります。

廃止後の現在：面影を偲ぶ

札ノ辻駅は既に存在しませんが、その周辺には、かつての賑わいを感じさせる痕跡が残されているかもしれません。現在では、京町一丁目交差点として、多くの車が行き交う場所となっていますが、静かに佇む古い建物や、地元住民の語り継がれる歴史の中に、札ノ辻駅の歴史の一端が垣間見える可能性があります。

参考文献

* 『大津駅周辺を探検！ 大津に鉄道がやってきた頃』京阪電車京津線編 by.yume - まちづくり大津

この文献は、大津市における鉄道の歴史、特に京津線の歴史を詳細に解説しており、札ノ辻駅の情報も含まれていると推測されます。この文献を参照することで、より詳細な情報を得ることが可能です。

まとめ：消えた駅と残された歴史

札ノ辻駅は、わずか30年余りの短い歴史でしたが、大津市の発展と深く関わった重要な駅でした。その歴史は、現在の大津の街並みや交通網に影響を与え、現在も大津の歴史の一部として語り継がれています。 札ノ辻駅という、近代日本の発展の一端を垣間見ることができる貴重な歴史的遺産について、改めて理解を深めることが重要と言えるでしょう。

もう一度検索