札幌報恩学園

札幌報恩学園（さっぽろほうおんがくえん）は、社会福祉法人札幌報恩会が北海道札幌市厚別区で運営する、主に知的障害のある方々を対象とした障害者支援施設です。長きにわたり、この地域における障害者福祉の向上に貢献してきました。

概要

現在の札幌報恩学園は、社会福祉法人札幌報恩会が展開する多岐にわたる福祉サービスの中核を担う施設の一つです。知的障害のある成人の方々に対し、入所による支援を提供しており、現在の入所定員は145名となっています。施設は札幌市厚別区の自然豊かな環境に位置し、利用者の日々の生活を支えています。

沿革

札幌報恩学園の歴史は、大正7年（1918年）11月30日にさかのぼります。当時の北海道庁立感化院院長であった小池九一氏によって、私立の少年教護施設として、現在の札幌市中央区にあたる藻岩村大字山鼻村の地に創設されました。これは、当時の社会情勢において、保護が必要な少年たちの育成を目指したものでした。

創設から数年後には、財団法人としての認可を受け（大正11年/1922年 10月31日）、組織基盤を強化します。戦後、日本の社会福祉制度が変革を迎える中、札幌報恩学園は新たな一歩を踏み出します。

特に画期的だったのは、戦後間もない昭和24年（1949年）9月26日に、北海道内で最初となる私立の養護学校を設置したことです。これに続き、精神薄弱者（当時の呼称）を対象とした施設も開設し、障害のある人々に対する専門的な支援・教育分野における北海道の先駆けとなりました。

昭和27年（1952年）5月14日には、社会福祉法人制度の発足に伴い、組織を社会福祉法人札幌報恩学園へと変更。時代の要請に応じた法人形態へと移行しました。さらに、昭和58年（1983年）9月1日には、法人名称を現在の「社会福祉法人札幌報恩会」に改称しています。

施設の物理的な移転も重要な出来事です。創設の地を離れ、昭和37年（1962年）12月20日には、現在の札幌市上野幌へとキャンパスを移しました。これにより、より広々とした環境での活動が可能となりました。

平成に入り、社会福祉を取り巻く環境が変化する中で、学園の形態も再編されます。平成8年（1996年）6月17日には、かつて先駆的に設置した私立札幌報恩学園養護学校を廃止。そして、平成22年（2010年）4月1日、従来の施設機能を発展的に改組し、障害者自立支援法に基づく「障害者支援施設」として新たなスタートを切りました。現在、札幌報恩学園はこの障害者支援施設として、入所する方々への支援を中心に事業を展開しています。

主な事業

社会福祉法人札幌報恩会は、「札幌報恩学園」という名称の障害者支援施設事業のほかにも、多岐にわたる福祉サービスを提供しています。知的障害のある方々への支援としては、「グリーンホーム厚別」での障害者支援施設事業、宿泊型自立訓練を行う「のぞみ寮」、生活介護や就労継続支援（B型）を組み合わせた多機能型事業所「ワークショップ上野幌」、同じく就労継続支援（B型）の「ホープス」、一体型グループホーム・ケアホームである「くるみ寮」、生活介護事業の「そよ風」などがあります。また、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、移動支援といった在宅サービスを提供する「サポート91」、相談支援事業の「ステーション106」も運営しています。

さらに、障害者福祉にとどまらず、地域の子育て支援として「まごころ保育園」の保育所事業、札幌市からの委託を受けて就職や生活に関する相談に応じる「就業・生活相談室しんさっぽろ」といった事業も展開しており、地域社会全体の福祉向上に貢献する総合的な福祉法人となっています。

創立関係者

札幌報恩学園の創立者であり、初代理事長兼園長を務めたのは小池九一氏です。彼の情熱と先見性によって、学園の基礎が築かれました。また、北海道酪農の発展に寄与し、雪印乳業設立者としても知られる黒澤酉蔵氏も、創立に関わった人物として名を連ねています。

所在地・アクセス

社会福祉法人札幌報恩会の本部および札幌報恩学園は、〒004-0039 北海道札幌市厚別区厚別町上野幌822に位置しています。公共交通機関を利用する場合、JR千歳線上野幌駅からは徒歩約10分、ジェイ・アール北海道バスの「報恩学園前」バス停からは徒歩約5分でアクセス可能です。

外部リンク

社会福祉法人札幌報恩会
 社会福祉法人札幌報恩会まごころ保育園
* 就業・生活相談室しんさっぽろ

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