札幌市交通局6000形電車

札幌市交通局6000形電車

札幌市交通局6000形電車は、かつて札幌市営地下鉄で運用されていた通勤形電車です。この電車は1976年に発表され、東西線の琴似駅から白石駅間の開業に合わせて導入されました。元々は南北線で採用されていた第三軌条方式から架空電車線方式に変更され、架線電圧も1,500Vに設定されています。

編成の歴史

この電車は、最大9両編成までの増結に対応可能な設計でしたが、開業初期は4両編成で運用されました。1982年には白石駅から新さっぽろ駅への延伸に伴い、6両編成に増強しました。また、1999年には更に延長されて7両編成となりました。8300形と呼ばれる特別な車両が加わり、この8300形は6000形と同様に運用されることを期待されていました。

運行技術の進化

6000形は、最初自動列車運転装置（ATO）を搭載していましたが、1991年頃にこの装置は撤去され、新たなAVC（自動回送システム）が導入されました。駆動方式においては、南北線2000形が使用していた差動歯車から、1台車に4つのモーターを搭載した平行カルダン駆動に変わりました。主回路制御も新しく、6000形は電機子チョッパ制御を採用し、8300形ではVVVFインバータ制御が使われました。

検査と保守

当初、すべての6000形は西車両基地で検査および留置が行われていました。その後、1982年に東車両基地が新設され、東豊線開通前は両基地に均等に車両が分けられました。これにより東西線の車両は東車両基地に統一されて管理されるようになりました。

車両デザインと装飾

6000形の車体色は薄緑と薄黄の二色に塗装され、前面には北海道を象ったシンボルマークがデザインされています。また、内装には札幌市内の建築物のイラストがあしらわれ、高い芸術性が表現されています。特に、量産車のデザインは一部変更され、独特のスタイルを備えています。

廃止とその後

6000形は2008年に全編成が廃車され、正式な運行を終了しました。最後の運行は2008年8月30日で、約32年の歴史に幕を下ろしました。また、河川や鉄道博物館では一部の部品が再利用されているものの、ほとんどの車両は解体されています。

記憶に残る存在

6000形はそのユニークなデザインや技術から多くの鉄道ファンや市民に愛されました。さらに、試作車は特別なデザインを特徴としていたため、一部の専門家やファンにとって特別な存在として記憶されています。また、市営地下鉄を学ぶ教材としても使用されるなど、その影響は今も続いています。

今後も札幌の交通や鉄道路線の発展に寄与してきた6000形は、都市交通の歴史の一部として、永遠にその名を残すことでしょう。

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