札幌市消防局

札幌市消防局

札幌市消防局は、消防組織法の規定に基づき設置された、札幌市の消防機関（消防本部）です。市民の生命、身体、財産を火災や災害から守ることを使命としています。

沿革

札幌市消防の始まりは1872年（明治5年）、開拓使の判官であった岩村通俊が組織した「中川組」に遡ります。その後、区立自衛消防組の組織、私設別手組の設立などを経て、1894年（明治27年）に公設の札幌消防組が誕生しました。

時代とともに組織は変遷を重ね、1921年（大正10年）には常備消防が設けられ、1948年（昭和23年）には札幌市消防本部が発足しました。札幌市の発展とともに消防体制も拡充され、1961年（昭和36年）には札幌市消防局と改称されました。

1972年（昭和47年）の政令指定都市移行を経て、消防署の新設・改称、出張所の増設、消防車両の導入などが進められました。近年では、東日本大震災などの大規模災害への対応や、国際消防救助隊への参加など、活動の幅を広げています。

組織

札幌市消防局は、総務部、予防部、警防部の3部と、消防学校、消防署などで構成されています。

総務部: 職員の人事、会計、施設管理などを担当します。
予防部: 火災予防のための広報活動や、建物への立ち入り検査などを行います。
警防部: 消防隊の指揮、救急業務、救助活動などを統括します。
消防学校: 消防職員の教育訓練を行います。

施設

札幌市内には、中央消防署、北消防署、東消防署、白石消防署、厚別消防署、豊平消防署、南消防署、西消防署、手稲消防署、清田消防署の10の消防署が配置されています。各消防署には、消防車、救急車、はしご車などの消防車両が配備され、地域住民の安全を守っています。

また、消防学校、消防科学研究所、救急ワークステーション、市民防災センターなどの施設も有しています。

札幌市消防学校: 消防職・団員に対してより高度な人材育成を目的とした教育訓練の研修施設です。
札幌市消防科学研究所: 各種研究業務をはじめ燃焼実験、成分鑑定、危険物確認試験災害現場へ出動し科学的知識に基づく助言などの業務を実施しています。
救急ワークステーション: 救急隊員の待機場所として、市立札幌病院内に設置されています。
市民防災センター: 各種災害の模擬体験を通じて、防火・防災に関する知識や災害時の行動を学ぶことができます。

消防車両

札幌市消防局には様々な消防車両が配備されています。

消防ポンプ車
はしご車
救急車
救助工作車
化学車
指揮車
資機材搬送車
消防ヘリコプター

これらの車両は、火災や災害の規模、状況に応じて適切に運用され、市民の安全確保に貢献しています。

近年の活動

近年では、2011年の東日本大震災や2018年の北海道胆振東部地震など、大規模災害への対応に力を入れています。緊急消防援助隊として、被災地への人員・物資の派遣、救助活動などを行いました。

また、国際消防救助隊にも登録されており、海外での災害発生時には救助活動に参加しています。

札幌市消防局は、市民の安全を守るため、日々訓練を重ね、災害に強い街づくりを目指しています。

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