札幌競馬倶楽部

札幌競馬倶楽部の歴史

札幌競馬倶楽部は、日本における競馬の発展に寄与した重要な団体です。1910年に設立され、1937年まで活動を続けました。今回は、札幌競馬倶楽部の設立から解散までの背景や経緯を振り返っていきます。

設立の背景

札幌競馬倶楽部の始まりは、1879年に設立された札幌共同競馬会社です。この会社は競馬を運営する組織でありながら、法律上の正式な企業ではなく、実際には政府が運営していました。競馬の開催には、屯田軍馬や開拓使が所有する馬が使用され、その費用は入場料や補助金などで賄われていました。

1881年には明治天皇が北海道に行幸され、その際に札幌競馬を観覧しました。競馬は当時、屯田兵の士気を高める手段の一つともされ、1882年には陸軍少将の永山武四郎の後押しも受けて存続が決まりました。しかし、1886年に札幌育種場競馬場が廃止され、1887年には中島遊園地競馬場に移転します。

その中で、1887年春には英（ハナブサ）号が横浜競馬場での競走に勝利し、全国的にその名を知られることとなりました。これにより、札幌育種場競馬時代は中央競馬への布石となりました。

北海道競馬会の設立

競馬事業の譲渡を受けた北海道乗馬会は、1905年に競馬の公営化に向けて動き出します。そして、1906年に北海道競馬会が設立され、1907年には政府から社団法人として認可を受けました。この競馬会が初めて競馬を開催した秋には盛況を博しましたが、馬券発売が黙認されていたこともあって、様々な問題が発生しました。

政府の厳しい規制が続く中、馬券禁止が再度発表され、特に賭博行為の混乱が顕著になりました。全国的な混乱を経て、北海道競馬会は政界での活動を強化し、馬券復活を求める運動が展開されたものの、結局は補助金が支給される形に落ち着きます。

札幌競馬倶楽部の誕生

1908年、馬券の発売が正式に禁止されると、競馬会は営利団体から公益団体へと改革を余儀なくされました。北海道競馬会もこの流れに従い、1910年に札幌競馬倶楽部として生まれ変わります。新たな組織は、浜田馬匹奨励会社から札幌競馬場の権利を取得し、社団法人として活動をスタートさせました。

新しい札幌競馬倶楽部は、馬券が禁止されたという厳しい状況にもかかわらず、春と秋の定期開催を続け、多くの競馬ファンを魅了しました。彼らは北海道における馬匹改良の目標を追求し続け、活発な活動を展開しました。

結論

札幌競馬倶楽部の歴史は、競馬の制度が変化する中で多くの困難に直面しながらも、地域の文化と伝統を守り続ける重要な役割を果たしてきました。1937年に解散するまで、札幌競馬倶楽部は北海道の競馬シーンに影響を与え、競馬の歴史に名を刻むことになりました。

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