札幌駅前通地下歩行空間

札幌駅前通地下歩行空間（チ・カ・ホ）

札幌駅前通地下歩行空間は、北海道札幌市中央区にある都市計画によって整備された歩行者専用の地下道です。この空間は、愛称「チ・カ・ホ」としても親しまれ、多くの市民が利用しています。

この地下道は、札幌駅のすぐ下に広がっており、札幌市営地下鉄南北線のさっぽろ駅と大通駅の間を約1,900メートルにわたって直線的に結んでいます。日本国内では最も長い直線距離を持つ地下通路であり、常に多くの人々の行き交う場所となっています。

近年、老朽化したビルの建て替えが進んだことで、地下道沿いには新しい商業施設が並ぶようになり、地上の商店街と合わせて活気のある繁華街が形成されています。地下歩行空間のデザインは、一般的な地下道よりも高い天井と広い幅を持ち、通行する人々に快適な環境を提供しています。また、地下広場は有料で租借され、多彩なイベントに利用されています。

このエリアは、地域商業圏を活性化させ、四季を通じて快適な歩行環境を提供することを目的としています。そのため、札幌駅前通地下歩行空間は「道路」と「広場」の2つの機能を兼ね備えています。特に、地下広場では多くの催し物やイベントが行われ、市民に喜ばれています。

デザインにおいては、天井にスルーホールが設けられ自然光を取り入れる工夫がされており、出入口付近はガラス張りにすることで開放感を演出しています。市民の意見を取り入れた道路・広場の条例が制定され、公共スペースとしてイベントが行える環境が整えられています。

この歩行空間は、札幌市が1994年に策定した「地下利用ガイドプラン」の一環として発表され、2000年から本格的な整備が開始されました。様々な準備と調整が必要だった中、2011年3月12日に開通しましたが、東日本大震災の影響でオープンイベントは中止されました。その後、1周年に合わせ、キャラクター「ちかぁ〜さん」が発表され、愛称「チ・カ・ホ」に決まりました。

開通後5年の間に、札幌駅前通の歩行者通行量は大幅に増加し、地上と地下を合わせた通行量は平日約2.3倍、休日は約2.9倍に達しました。また、様々なイベントが開催され、地下歩行空間の活用が進んでいます。それに伴って、ビル内からの火災などの安全面での課題も指摘されていますが、地域への利便性と活気に貢献している重要なスペースとなっています。

出入口の情報

札幌駅前通地下歩行空間には、14箇所の出入口が用意されており、公共トイレや公衆電話も設置されています。

直結するビル

この地下空間は、様々なビルと直結されており、例えば大同生命札幌ビル、北海道ビルヂング、札幌グランドホテルなどがあります。これにより、利便性が向上し、周辺地域の活性化にも寄与しています。

活用コンセプト

「創造都市さっぽろ」を推進するため、市民活動や都心のビジネスパーソンへの快適な日常を提供し、観光やビジネスの拠点としても重要な役割を果たしています。

この地下空間は、単なる通行路ではなく、地域の文化や商業活動を高める重要な場所として位置づけられています。

もう一度検索