朱升

朱升（しゅ しょう）

朱升（1299年 - 1370年）は、元末から明初にかけての儒学者です。字は允升（いんしょう）、号を楓林先生といい、徽州休寧県（現在の安徽省黄山市休寧県）の出身です。

生涯

元朝末期、朱升は郷里の推薦を受けて池州学正という官職に就きました。しかし、蘄州や黄州で反乱が起こると、官職を辞して歙県の石門に隠棲しました。兵乱を避けるため、各地を転々としましたが、どのような状況下でも学問への情熱を絶やすことはありませんでした。

朱元璋が徽州を占領すると、朱升はその才能を認められ、鄧愈の推薦によって召し出されます。朱元璋は、国家の運営において最も重要なことを朱升に諮問しました。朱升は「城壁を高く築き、広く食料を蓄え、時間をかけて王を称えるべきである」と進言し、その献策は朱元璋に採用されました。

至正27年（1367年）、朱升は侍講学士に任じられ、知制誥や同修国史といった重要な職務を担いました。高齢であったため、朝廷への参謁は特別に免除されました。

洪武元年（1368年）には、翰林学士に進みました。その後、儒学者たちと共に『女誡』の編纂を命じられ、古代の賢明な后妃たちの事績を収集し、それを規範とするようまとめ、朝廷に献上しました。洪武2年（1369年）には、勅命を受けて斎戒文を作成しました。高齢を理由に帰郷を願い出て許可され、故郷で余生を送りました。洪武3年（1370年）、72歳でその生涯を終えました。

朱升は、その生涯で多くの著作を残しました。主なものとして、『周易旁注前図』2巻、『尚書旁注』6巻、『詩旁注』8巻、『小四書』5巻、『楓林集』12巻などがあります。

子孫

朱升の子である朱同は、礼部侍郎の官職に就きましたが、事件に連座して亡くなりました。

まとめ

朱升は、動乱の時代において、学問への情熱と政治への関与を通じて、その名を歴史に刻みました。彼の思想や行動は、後世に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

参考文献

* 『明史』巻136 列伝第24

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