朱彝尊

朱彝尊の生涯と業績

朱彝尊（しゅ いそん、1629年 - 1709年）は、中国清代の重要な文人であり、その多才な才能から文学や学問の分野で高く評価されています。彼の字は錫鬯、または竹垞といい、他にも醧舫や金風亭長、小長蘆釣魚師などの別称があります。先祖は蘇州の呉江県出身ですが、明の景泰4年（1453年）に嘉興府秀水県に移住しました。曾祖父は朱国祚、祖父には朱大競、実父は朱茂曙、さらには養父にあたる朱茂暉も詩文において著名な人物です。彼の子供である朱崑田や孫の朱稲孫も、それぞれの時代に詩文を通じて知られる存在となりました。

朱彝尊の幼少期は貧困であったため、彼はさまざまな場所を訪れて学びを深める必要がありました。南は嶺南、北は雲朔、東は滄海まで、至るところを巡り、古代の遺物や史書を探求しました。その過程で、地域の長老や儒者たちと面会し、彼らから書籍を借りて研究を重ねたのです。このような努力の結果、故郷に戻った際には彼の文名はすでに高まっていました。

康熙18年（1679年）には博学鴻詞科に推薦され、翰林院の検討官に任命されるという栄誉を得ます。彼は『明史』の編纂にも従事し、その大部分の提案は妥当性を持っていたとされています。康熙20年（1681年）には日講起居注官に任命され、さらに江南郷試の副考官に選ばれ、南書房の職務にも携わりました。しかし、部下に古文書を筆写させた問題で弾劾を受け、降格される運命に見舞われましたが、その後は元の官職に復帰することができました。

晩年には病気により故郷に戻り、曝書亭という書斎を設けます。この書斎には約8万巻もの蔵書があり、朱彝尊はここで著述に専念しました。彼は19年後に亡くなりましたが、その際にはさまざまな評価がなされました。『清史稿』において、「王士禎は詩に優れ、汪琬は文に優れ、毛奇齢は考証に優れていたが、朱彝尊はその全ての長所を兼ね備えた」と称賛されています。特に、篆書や隷書においても優れた技術を持ち、絵画にも才能を発揮しました。

著書

朱彝尊は、多くの著作を残しています。主な著書には以下のものがあります：

• - 『曝書亭集』（80巻）
• - 『経義考』（300巻）
• - 『日下旧聞』（42巻）
• - 『明詩綜』（100巻） - 此書は銭謙益の『列朝詩集』の短所を指摘するために編集されました。
• - 『五代史注』
• - 『瀛州道古録』
• - 『静志居詩話』
• - 『詞綜』（34巻）

彼の仕事は学術的な価値が高く、多様なジャンルにわたるものであり、後の時代にも大きな影響を与えました。

参考文献

• - 『清史稿』列伝271
• - 『清史』列伝71
• - 『国朝先正事略』巻39
• - 『宋元明清書畫名賢詳伝』巻10

朱彝尊の生涯は、学問と文学に対する彼の強い情熱と探究心を示すものであり、彼の業績は後世の多くの人々に影響を与え続けています。

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