朴奉珠

朴奉珠（パク・ポンジュ）の政治キャリア

朴奉珠（パク・ポンジュ）は、1939年4月10日生まれ。北朝鮮の政治家として知られ、数々の重要な役職を歴任してきました。彼のキャリアは主に北朝鮮の経済政策と政治構造の中で形成されており、特に朝鮮労働党の中での影響力を持った人物です。

経歴の初期

朴は1962年に平安北道にある食料工場で支配人としての職務を開始し、その後、平安南道党委員会で指導員や副部長を務めました。彼は1980年の第6回党大会にて党中央委員会の候補委員に選出され、その後も順調に出世していきます。1983年には南興青年化学連合企業所の党委責任書記に就任し、その後の職務でも党内での地位を確立していきました。

1993年には党中央委員会軽工業部の副部長、そして翌年には党経済政策検閲部の副部長に選任されるなど、経済に関する重要なポジションを担ってきました。彼は1998年に化学工業相に任命され、さらに2003年には内閣総理に選出され、党内での序列第6位に位置づけられました。

金正日政権下での挑戦

朴奉珠は経済専門家として内閣総理に選ばれたものの、北朝鮮の経済再建には成功しませんでした。特に、金正日が進める「先軍政治」においては、軍需経済に対する協力を避け、2007年の閣議では資本主義的な市場経済の導入を提案したことが批判となり、最終的に彼は2007年に総理を解任されます。この事態は彼のキャリアにおいて大きな転機となりました。

復権と再出発

総理としての地位を失った後、朴は地方の化学繊維工場の支配人としての役割を与えられますが、2010年には党軽工業部の第一副部長に就任し、再び政治的影響力を取り戻しました。2012年の党代表者会議では党軽工業部長に任命され、2013年には党中央委員会の政治局員にも昇格します。その後、2014年の最高人民会議代議員選挙で再度代議員に選出され、さらなる地位を獲得しました。

政治局常務委員と国務委員会副委員長

2016年の第7回朝鮮労働党大会では、金正恩やその他の要職者とともに党中央委員会政治局の常務委員に選出され、同時に党中央軍事委員会の委員にもなりました。続いて、同年の最高人民会議にて国務委員会副委員長に選出され、北朝鮮の政治シーンでの役割は重要なものとなりました。金正恩が中華人民共和国を訪問した際には、朴も同行するなど、彼の役割はさらに拡大しました。

引退とその後

2019年の党中央委員会総会で経済担当の副委員長に選出された彼は、翌年には総理を退任しました。2021年の第8回党大会では高齢を理由にすべての党役職を退き、同年9月には国務委員会副委員長を退任し、完全に引退することとなります。彼のこれまでの政治経歴は、北朝鮮の経済政策や党内のダイナミクスに大きな影響を与えてきたことが伺えます。

朴奉珠の経歴は、北朝鮮の政治的変遷と経済政策に密接に関連しており、その存在は今も多くの議論を呼んでいます。

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