朴昌玉

朴昌玉の生涯と政治的経歴

朴昌玉（パク・チャンオク、1911年 - 1958年9月）は、朝鮮民主主義人民共和国の重要な政治家で、元副首相および朝鮮労働党の中央委員として知られています。彼はソビエト連邦の影響を受けたソ連派の幹部の一人として、北朝鮮の初期の政治の中で中心的な役割を果たしました。

背景と初期の経歴

朴昌玉は、咸鏡北道に生まれました。青年期にソビエト連邦に渡り、ハバロフスクにある朝鮮師範大学を卒業しました。彼の政治的活動の初期には、1940年代に中央アジアの地区教育委員会の議長を務め、解放前には朝鮮へと派遣されていた諜報活動に従事しました。解放後、彼は「勤労者」という朝鮮労働党の理論誌の編集人に任命され、党内での地位を確立しました。

政治的活動と昇進

1948年3月に開催された北朝鮮労働党の第2回党大会では、朴昌玉は党宣伝部長に就任し、その後の政治的キャリアを築いていきました。1951年11月に許哥誼が左遷された際、朴は代わりに朝鮮労働党秘書に指名され、その後も党中央委員および副首相として活躍しました。しかし、彼の政治的上昇は長続きしませんでした。

政治的な挫折

1955年12月27日、朝鮮労働党中央総会拡大会議が開催され、朴昌玉はソ連国籍の幹部たちと共に文学領域で「反党路線」を採ったとして批判され、政治委員会から除名されました。その後、朝鮮戦争後の1956年には、ソ連のフルシチョフによるスターリン批判が影響し始め、金日成の独裁政治に対する内部からの批判が高まりました。

特に、同年8月には「8月宗派事件」と呼ばれるクーデター未遂事件が発生し、朴昌玉を含むソ連派幹部は延安派の幹部と共に職を追われ、東海岸の木材加工場に追放されました。このような大きな変動の中で、朴昌玉の中央委員資格の回復が1956年9月の中央総会で決定されました。

終焉と影響

1956年11月、朴は木材加工場から建設中の馬洞セメント工場に異動され、金日成からは反省の機会として与えられました。しかし、翌1957年には反党グループ事件が発生し、金日成は反対派を排除する動きに出ました。朴昌玉は軍事クーデターに関与した疑いで逮捕され、1960年1月には秘密裁判で銃殺刑を宣告されました。この運命は、北朝鮮政権内部の権力闘争の厳しさを物語っています。

彼の著しい経歴とその最期は、北朝鮮における政治的権力の変遷と、内部闘争の激しさを象徴するものとなっており、別の立場から見れば、彼の存在は北朝鮮の歴史の一部として重要な位置を占めています。

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