杉並浄水所

杉並浄水所

杉並浄水所は、東京都杉並区善福寺に所在する東京都水道局の浄水施設です。1932年（昭和7年）3月15日に竣工しました。この浄水所の特徴は、原水として地下水を利用している点です。都内の他の浄水所では珍しい、地下水を水源とする施設です。

歴史的背景

杉並浄水所は、関東大震災後の急激な宅地化に伴うスプロール現象に対応するため、旧井荻町が水需要の増大に対応するために建設されました。当時は、急速な都市化により、水資源の確保が重要な課題となっていました。この浄水所の建設は、安定的な水の供給を確保する上で重要な役割を果たしました。

施設概要

杉並浄水所は、善福寺公園の南西に位置しています。東京都水道局の区部の浄水所としては、地下水を原水とする珍しい施設です。水運用センターからの指示によって、取水、浄水処理、送配水を行わない日もあります。以下に、主な施設について説明します。

取水井

原水となる地下水を汲み上げるための井戸は、1号から3号までの3つがあります。

1号井: 内径3,400mm、深さ17.500m、自然水位は約10.280m
2号井: 内径3,400mm、深さ15.774m、自然水位は約10.280m
3号井: 内径3,600mm、深さ17.250m、自然水位は約10.280m

取水ポンプ

取水井から原水を揚水するためのポンプは、水中モーターポンプが9台使用されています。ポンプの口径は150mmと200mmで、揚程は1号と2号井が20m、3号井が25mです。1台あたりの揚水量は、1.5m3/minから4.32m3/minまでとなっています。

着水井

着水井は、1号と2号の2つがあり、鉄筋コンクリート製です。着水井では、次亜塩素酸ナトリウムが注入され、不連続点塩素処理（ブレークポイント処理）が行われます。

1号着水井: 内部は3つに分かれており、内径3.25m、深さ2.55m、H.W.L（最高水位）は+53.794m、L.W.L（最低水位）は+51.576mです。
2号着水井: 長さ5.00m×幅3.50m、深さ2.95m、H.W.Lは+54.270m、L.W.Lは+51.570mです。

緩速ろ過池

270度の扇形をした緩速ろ過池が3池ありますが、現在は休止中です。各池の面積は278m2です。内部には、1号と2号の配水池（各193m3）、および量水室があります。

配水池

3号と4号の配水池があり、それぞれの容量は1,300m3です。各池の寸法は、長さ25.00m×幅20.00m×高さ3.50m、有効水深は2.95mです。H.W.Lは+52.614m、L.W.Lは+50.005mです。

配水ポンプ

配水ポンプは、150×125mmと200×160mmの渦巻ポンプがそれぞれ1台、3,000×250mmの渦巻ポンプが3台あります。揚程は33mで、1台あたりの揚水量は2.30m3/minから8.30m3/minまでとなっています。

アクセス

バス

JR荻窪駅北口
関東バス荻36系統「南善福寺」行きに乗車、約13分、「善福寺公園」停留所下車。
JR西荻窪駅北口
関東バス西02系統「上石神井駅」行き、または西03系統「大泉学園駅」行きに乗車、約6分、「桃井第四小学校」停留所下車。
西武新宿線上石神井駅南口
関東バス西02系統「西荻窪駅」行きに乗車、約6分、「桃井第四小学校」停留所下車。
西武池袋線大泉学園駅南口
* 関東バス西03系統「西荻窪駅」行きに乗車、約18分、「桃井第四小学校」停留所下車。

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