杉口秀樹

杉口秀樹：スタントマンとして、XMAの伝道師として

杉口 秀樹（すぎぐち ひでき）氏は、1979年8月11日生まれ、徳島県牟岐町出身のスタントマンです。現在はフリーランスとして活動しており、同時にNPO法人日本エクストリームマーシャルアーツ協会代表理事、そしてXMA-JAPANの代表も務めるなど、多角的に日本のエンターテイメント業界に貢献しています。

幼少期を牟岐町で過ごし、中学2年生の時に海陽町（旧海南町）へ転居しました。小学2年生の時、親戚の影響で器械体操を始めたことが、後のキャリアに大きな影響を与えます。この頃からアクロバティックな動きに魅せられ、スタントマンという職業に憧れを抱くようになります。

大学卒業後、夢を実現するため、2002年にジャパンアクションエンタープライズ（JAE）の養成部門に入所。厳しい訓練を経て卒業後、同事務所に所属し、プロのスタントマンとしての活動を開始しました。デビュー作は、人気ゲームシリーズ『戦国無双』のモーションキャプチャーであり、その身体能力を活かした表現力は初期から高く評価されていました。

2007年にはアルファスタントへ移籍。そして2008年、アメリカ合衆国で制作された特撮テレビドラマ『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』に出演するため渡米します。この渡米中に、杉口氏は人生の転機となるエクストリーム・マーシャルアーツ（XMA）と運命的な出会いを果たします。番組にはXMAの世界的なチャンピオンが出演しており、彼からXMAの基礎を学ぶ機会を得ました。これは、従来の武道やアクションとは異なる、アクロバットと演武を融合させた革新的なパフォーマンスでした。

2010年に帰国した杉口氏は、このXMAの魅力を日本に広めることを決意します。神戸豊氏と共にパフォーマンスチーム「rasen」を結成（後にXMA-JAPANと改称）し、XMAの普及活動を精力的に開始しました。2012年には、さらに活動を組織化するため、NPO法人日本エクストリームマーシャルアーツ協会を設立し、その代表理事に就任。日本におけるXMAの認知度向上と発展に尽力しています。スタジオBOSなどで講師も務め、次世代のアクションアクターやパフォーマーの育成にも力を入れています。

2014年からはフリーランスのスタントマンとして独立。これにより、さらに幅広い分野での活動が可能となりました。総合エンターテイメントユニット「紅音-akane-」のメンバーとしても活動するなど、表現者としての多様な側面を持っています。

杉口氏のスタントマンとしてのキャリアは非常に長く、多岐にわたる作品に参加しています。

主な参加作品

テレビドラマ
スーパー戦隊シリーズ（『爆竜戦隊アバレンジャー』〜『轟轟戦隊ボウケンジャー』他）、仮面ライダーシリーズ（『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』『仮面ライダーウィザード』他）といった特撮作品で主要なスタントやアクションを担当。
NHK大河ドラマ（『武蔵』『義経』『功名が辻』）に兵士役で出演。
『3年B組金八先生』（スタント）、『時効警察』（スタント）、『のだめカンタービレ』（スタント）、『精霊の守り人』（ユン役）、『アイアングランマ』（暗殺者役）など、多様なジャンルでスタントや役者として参加。

映画
仮面ライダーシリーズ、ウルトラマンシリーズの劇場版多数。
『CASSHERN』、『男たちの大和/YAMATO|男たちの大和_YAMATO』、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、『ウルヴァリン:SAMURAI』、『寄生獣』、『進撃の巨人』シリーズ（メインスタント）など、アクション・SF大作から時代劇まで幅広く参加。スタント、ワイヤーリガー、XMAコーディネーターなど様々な役割を担う。

ゲーム
モーションキャプチャーとして『戦国無双』、『龍が如く 見参!』、『バイオハザード5』、『メタルギア ライジング リベンジェンス』に参加。
特に『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』では、主人公・勇者を含む主要キャラクターの重要なモーションを手掛けた。

その他
オリジナルビデオ、ネット配信ドラマ、CM、舞台（スーパー戦隊シリーズスカイシアターショーなど）でも活躍。

杉口秀樹氏は、スタントマンとしての高度な技術と長年の経験に加え、日本にエクストリーム・マーシャルアーツを根付かせた第一人者として、その普及に情熱を燃やしています。多岐にわたるメディアでその才能を発揮し、日本のエンターテイメント界において欠かせない存在として、今もなお最前線で活躍を続けています。

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