杉山伸也

杉山 伸也: 経済史の第一人者

杉山伸也（すぎやま しんや）は1949年1月11日生まれで、静岡県三島市出身の著名な経済史学者です。彼は早稲田大学で政治経済学を専攻し、1972年に卒業後、同大学院で修士を取得しました。その後、1981年にはロンドン大学のロンドン・スクール・オブ・エコノミックスで博士号を取得し、国際的な学問の場でも活躍することとなります。

1984年に慶應義塾大学経済学部の助教授として教育界に足を踏み入れ、1991年には教授に昇進しました。2012年には定年を迎えたものの、名誉教授として活動を続け、社会経済史学会の代表理事も務めるなど、日本の経済史における権威的な存在です。また、専門分野は日本経済史とアジア経済史であり、これらに関する深い理解と分析を提供しています。

杉山は、多くの著書を通じて彼の専門知識を広めてきました。特に1989年に発表した『Japan's Industrialization in the World Economy, 1859-1899: Export Trade and Overseas Competition』は評価され、日経・経済図書文化賞を受賞しました。この著作では、19世紀後半から20世紀初頭にかけての日本の産業化と国際貿易の進展に焦点を当て、その成功の要因を詳細に探っています。

他にも、1993年に出版された『明治維新とイギリス商人 トマス・グラバーの生涯』は、明治維新の時代における外国商人の役割や、日本の近代化における国際的な相互作用について深く掘り下げた作品です。また、2012年発行の『日本経済史 近世-現代』では、近世から現代に至る日本の経済の変遷を包括的に扱い、経済学を学ぶ上での重要な参考書となっています。さらに、2014年の『グローバル経済史入門』では、世界の経済史を広く探求し、読者にその奥深さを伝えています。

杉山は共著や編著も数多く手掛けており、例えば1990年の『戦間期東南アジアの経済摩擦 日本の南進とアジア・欧米』や、1999年の『近代アジアの流通ネットワーク』など、アジアの経済に関する重要な研究をまとめています。また、2006年には全8巻からなる『岩波講座 「帝国」日本の学知』を編集し、日本の学問的な基盤をスコープに収めました。

翻訳業にも従事しており、W.G.ビーズリーによる『日本帝国主義1894-1945 居留地制度と東アジア』や、横浜開港資料館編の資料集など、日本と国際社会の歴史を理解するのに寄与する多くの作品を紹介しています。

杉山伸也の学問に対する情熱と、彼が築いてきた経済史の知識は、今後の世代にも影響を与えていくことでしょう。彼は日本の歴史や経済を深く考察し、その成果を広く共有することに努め、多くの学生や研究者に影響を与え続けています。

もう一度検索