杉山龍丸

杉山 龍丸の生涯と業績

はじめに

杉山龍丸（すぎやま たつまる）は、1919年に生まれ、1987年に逝去した日本の実業家であり、緑化活動家です。彼は私財を投じてインドの環境保護及び緑化に尽力し、「インドの緑の父」との称号を得ました。本稿では彼の生涯と、その生涯を通じて培った植物への情熱や、彼が成し遂げた活動について詳しく解説します。

経歴

杉山は1919年に福岡県で生まれ、若い頃から様々な苦難を経験しました。1937年には福岡中学校を卒業し、翌年には陸軍士官学校に入学しました。士官学校では戦争の反対運動に関与し、見せしめとして憲兵隊に捕まるなど、勇気をもって信念を貫いていました。1943年に陸軍航空技術学校を卒業した後、フィリピンやボルネオなどで整備隊長として活動しましたが、戦争の悲劇を直に見て、戦後の人生を大きく変えるきっかけとなる経験をしました。

インドとの出会い

戦後の混乱が続く中、1945年に軍籍を離れた杉山は、自らが手掛けた農園に戻り、引揚げ者の支援を行う一方で、農業技術の指導へとシフトしていきます。1955年にはインドのネルー首相から指導支援の依頼を受け、国際文化福祉協会（ICWA）を設立しました。インドの農業に貢献するため、彼は杉山農園でインドの留学生たちに日本の農法を教えました。

緑化活動の始まり

1962年、杉山は初めてインドに渡航。そこで見た枯れ果てた土地にユーカリを植え、水資源を確保する構想を打ち出します。しかし、その後の旱魃によってインド全体が餓死者を出したため、政府はこのプロジェクトを中止せざるを得ませんでした。杉山は不屈の精神で、国内外でインドの窮状を訴え続け、支援の手を差し伸べようと努めました。

杉山の尽力

彼は、国交筋への訴えや国連への直訴を行ったものの、多くの苦難に直面します。しかし、世間の理解と援助が乏しい中でも、自らの財産を売却してでもインド緑化のために行動し続けました。数々の困難を乗り越え、自らの信念を貫き、彼の植林活動は後にインド、パンジャブからパキスタンまでの国際的な道路のユーカリ並木として評価されるに至ります。

健康の悪化と遺産

1985年、杉山は脳溢血で倒れたものの、その後も気力を失わずに環境保護に尽力しました。入院先では、戦備の頃に書いた記録をもとに『幻の戦闘機隊』と題する書籍を編纂し、死後には『グリーンファーザーの青春譜』が出版されました。彼の環境への情熱と努力は生涯にわたり続いたものの、最終的には家族へのサポートと自身の活動を両立させることに苦しみました。

結論

杉山龍丸は、彼の生涯を通じて環境問題と戦った力強い人物でした。私財を投げうってインドの貧困層を救おうと尽力した彼の行動は、今日の環境保護活動にも影響を与えています。彼の名声と業績は、今も多くの人々にインスピレーションを与え続けています。彼の物語は、情熱と思いやりがどのように世界を変えることができるかを示す重要な例です。

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