杉本八郎

杉本八郎

杉本八郎氏は、日本の薬学および脳科学分野において顕著な業績をあげている研究者です。同志社大学教授、京都大学客員教授として教鞭を執る傍ら、製薬会社エーザイにおいては、アルツハイマー型認知症の進行を抑制する薬剤「アリセプト」の研究開発を主導しました。

経歴

1942年、東京都に生まれた杉本氏は、2019年7月29日にNHK総合の番組「逆転人生」に出演し、その研究人生が紹介されました。剣道7段の腕前を持ち、ダジャレを好むなど、研究者としての顔とは異なる一面も持ち合わせています。

学歴

1961年 東京都立化学工業高等学校卒業
1969年 中央大学理工学部工業化学科卒業
1996年 広島大学にて薬学博士号を取得
2005年 中央大学名誉博士号授与

職歴

1961年4月 エーザイ株式会社入社。研究所（合成）研究員としてキャリアをスタート。
1968年4月 同社製薬研究所研究員
1981年4月 同研究所主任研究員
1982年4月 同社筑波研究所化学系主任研究員
1984年4月 同社研究開発本部研究一部二室主任研究員
1987年4月 同社研究開発本部探索第一研究部二室
1990年4月 同社人事採用プロジェクト担当課長
1997年4月 同社理事筑波探索研究所副所長
2000年4月 同社理事創薬第一研究所所長
2003年3月 エーザイ株式会社を定年退職。

研究歴

2003年4月 京都大学大学院薬学研究科創薬神経学講座（エーザイ寄付講座）教授に就任。
2012年4月 同研究科最先端創薬研究センター客員教授
2013年4月 同志社大学大学院脳科学研究科チェアプロフェッサー教授

受賞歴

1993年 エーザイ科学賞を受賞。
1998年 日本薬学会技術賞、英国ガリアン賞特別賞、化学・バイオつくば賞を受賞。
2002年 恩賜発明賞を受賞（アルツハイマー型痴呆治療剤・塩酸ドネペジルの発明）。

アリセプト開発への貢献

杉本氏がエーザイ在籍時に研究開発を主導した「アリセプト」は、アルツハイマー型認知症の治療に革新をもたらした薬剤として広く知られています。この薬剤は、認知機能の低下を抑制する効果を持ち、多くの患者とその家族に希望を与えました。彼のリーダーシップと研究開発への貢献は、医学界に大きな足跡を残しました。

その他の活動

研究者としての活動の傍ら、杉本氏は教育者としても貢献しています。京都大学や同志社大学での教鞭を通じて、次世代の研究者の育成に力を注いでいます。また、講演会やメディア出演などを通じて、脳科学や認知症に関する知識の普及にも努めています。

外部リンク

杉本八郎 - J-GLOBAL
杉本八郎 - researchmap

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