杉野希妃

杉野 希妃（すぎの きき）

杉野希妃は1984年3月12日生まれの日本人女優、映画プロデューサー、映画監督です。広島県広島市南区からの出身で、慶應義塾大学の経済学部を卒業しています。彼女は、スターダストプロモーションや和エンタテインメントを経て、現在はフリーランスとして国際的に活動しており、「アジア・インディーズのミューズ」と称されています。

経歴と生い立ち

中学2年生の時に宝塚歌劇団に憧れ、演劇部に入部。中学卒業時には宝塚受験を検討しましたが、母親の反対にあい、その後は大学受験を優先しました。彼女は厳しい環境の中で抑圧を感じ、東京での刺激を求め、慶應義塾大学への進学を選びました。そこでの勉強を通じて、韓国映画に興味を持ち、韓国文化に触れるために留学を決意しました。この留学中に、韓国映画『まぶしい一日』のオーディションを受けて合格し、映画デビューを果たしました。

映画デビューと初期の活動

2005年に韓国映画『まぶしい一日』に主演し、その後キム・ギドク監督の『絶対の愛』にも出演。彼女は2006年に帰国し、スターダストプロモーションに所属し「日韓の架け橋になる」という新たな目標のもと、芸能活動を本格化させます。2008年2月には映画『クリアネス』で主演を務めました。

映画製作への挑戦

2008年には映画製作会社の和エンタテインメントを設立し、映画プロデューサーとしての道も歩み始めました。彼女は「日本では役者は管理されるだけでなく、役者自身が表現者としての作品を発信するべき」という信念の下、アジア合作映画にも挑戦しています。2010年には初プロデュース作品『歓待』が第23回東京国際映画祭で受賞し、さらなる注目を集めました。以降も多くの映画祭で受賞を重ね、国内外での評価が確立されていきました。

監督としての一歩

2014年には長編映画『マンガ肉と僕』で監督デビューを果たし、続く作品『欲動』では新人監督賞を受賞しました。彼女の作品は常に新しい視点を提供し、観る者に刺激を与える独自性を持っています。また、エッセイや各種映画祭の審査員としても活動し、幅広い観点から映画界に貢献しています。

人物と信念

杉野は数学が得意な一方で、国語が苦手というユニークな側面を持ち、尊敬する女優にはイザベル・ユペールを挙げています。彼女は自身の作品を通じて、多様な価値観や文化の共存の重要性を語り続けており、「異なる文化が共存する理想の関係」を築くことを大事にしています。

交通事故による重傷を負った際も、彼女は復帰を果たし、映画製作における挑戦を続けています。映画への情熱と共に、新たな自分を探求する精神が、彼女の作品や活動に色濃く表れています。杉野希妃は、日本及びアジアの映画界において、今後も目が離せない存在であり続けるでしょう。

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