杉野目道紀

杉野目 道紀のプロフィールと業績

基本情報

杉野目 道紀（すぎのめ みちのり）は、1966年2月18日生まれの日本人有機化学者で、現在は京都大学大学院工学研究科の教授として活躍しています。彼の専門分野には、有機合成化学、不斉合成、有機金属化学、触媒化学、高分子化学、機能材料化学が含まれています。また、彼は1993年に京都大学より工学博士の学位を取得しました。

人物背景

杉野目は、著名な化学者である伊藤嘉彦に師事し、さまざまな化学の研究に従事しています。彼は特に有機合成化学、ケイ素、およびホウ素の化学研究で知られています。

また、杉野目は北海道出身で、学術の名門家計に生まれました。祖父は北海道大学の元学長である杉野目晴貞、父は北海道大学名誉教授の杉野目浩、母は翻訳家の杉野目康子です。彼の実家である杉野目邸は、さっぽろ・ふるさと文化百選に選ばれ、国の登録有形文化財としても知られています。

学歴とキャリア

彼は1984年に北海道札幌南高等学校を卒業後、1988年に京都大学工学部合成化学科を卒業しました。その後、京都大学大学院工学研究科に進学し、1990年には修士課程を修了、1993年には博士課程を修了しました。

博士取得後は、京都大学に助手として勤務し、その後研究員、助教授を経て、2004年から教授の地位に就いています。さらに、1998年から1999年には文部省在外研究員としてマサチューセッツ工科大学G. C. Fu研究室に留学し、国際的な研究環境での経験を積みました。

研究業績

杉野目は、カルボノイド元素、つまりホウ素やケイ素の特性を利用した高機能反応剤の設計と創製に関する研究を行っています。これにより、精密かつ効率的に新しい化合物を合成する手法を開発しています。彼は特に、らせん構造を持つ高分子の精密合成において顕著な業績をあげています。これは、特定の反応を選択的に進行させるために保護基を導入する方法を開発することによって達成されています。

杉野目は、触媒やキラル誘起、発光、可逆架橋、水素結合、配位結合に関する新機能の開拓にも取り組んでおり、これらの研究成果は、多くの科学論文や学会で発表されています。

受賞歴

杉野目は、彼の研究成果により、さまざまな賞を受賞しています。主な受賞歴には、1999年の日本化学会進歩賞、2001年のケイ素化学協会奨励賞、2005年の名古屋シルバーメダル、2006年の向山賞、2010年の日本学術振興会賞、2013年の日本化学会学術賞、2015年のフンボルト賞が含まれます。

著作

また、杉野目は複数の著作にも寄与しており、代表的なものには「Activation of Unreactive Bonds and Organic Synthesis」や「Polymer Synthesis/polymer Analysis」などがあります。これらの著作は、化学分野で広く引用され、研究者たちにとって重要な参考文献とされています。

外部リンク

詳しい情報や研究内容については、京都大学の杉野目研究室の公式ウェブサイトを参照することができます。

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