李新 (明初)

李新（り しん）は、生年は不明ながら、1395年に没した元末明初の軍人であり、政治家としても活躍しました。本貫は濠州です。

生涯

李新は、朱元璋に従い長江を渡り、各地の戦で目覚ましい功績を立てました。龍湾の戦いでは、その功績が認められ、管軍副千戸に任じられました。その後も江陵の奪取に貢献し、龍驤衛正千戸へと昇進。平江攻略後は、神武衛指揮僉事に転じ、茶陵衛の守備を任されました。これらの要職を歴任した後、中軍都督府僉事に至ります。

1382年（洪武15年）、李新は孝陵の造営における功績により、崇山侯に封じられました。1389年（洪武22年）には、洪武帝（朱元璋）の命を受け、帝王廟を鶏鳴山に改めて建造する事業にも携わっています。

この頃、勲臣たちの横暴な振る舞いが目立つようになり、洪武帝はこれを強く憎み、粛清事件が頻発していました。李新は、このような状況下で、公侯の家臣や儀従戸の数を制限し、規定数を超える者は官署に返還させるべきだと建言しました。洪武帝はこの提案を採用し、鳳陽の隷属民を平民に引き上げ、礼部に命じて『稽制録』を編纂させ、公侯の贅沢を厳しく制限しました。郭英が佃戸からの税を返還し、湯和が儀従戸を返還し、李景隆が荘田を返還したのは、いずれも李新の進言によるものでした。

1393年（洪武26年）、李新は役人を監督し、溧水に胭脂河を開削しました。この運河は西は長江に、東は両浙に通じる重要な水路となりました。

しかし、1395年（洪武28年）、李新は事件に関与したとして処刑されました。その詳細な理由は不明ですが、粛清の嵐が吹き荒れる時代の中で、その生涯を終えたと言えます。

参考文献

* 『明史』巻132 列伝第20

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