李榮杓

李榮杓（イ・ヨンピョ）

李榮杓（イ・ヨンピョ、이영표、1977年4月23日 - ）は、大韓民国出身の元サッカー選手。主にミッドフィールダー、ディフェンダーとして活躍し、現在は江原FC代表取締役および大韓サッカー協会副会長を務めています。

クラブでの活躍

2002年の日韓ワールドカップで韓国代表を率いたフース・ヒディンク監督に見出され、オランダの名門PSVアイントホーフェンへ移籍。すぐにレギュラーの座を掴み、2度のリーグ優勝を経験しました。2004-2005シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでは、チームのベスト4進出に大きく貢献。準決勝のACミラン戦では、当時世界最高の右サイドバックと評されたカフーを相手に、何度もドリブルで抜き去る活躍を見せ、世界中の注目を集めました。

2005-2006シーズンからは、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーでプレー。しかし、2006年夏の移籍市場では、イタリア・セリエAのASローマへの移籍が目前に迫りながら、直前で本人が移籍を拒否するという騒動がありました。その理由について、イタリアのメディアは「宗教上の理由」と報じましたが、イギリスのメディアは「引退後の生活を考慮し、英語圏でのプレーを望んだ」と報じています。

その後、出場機会が減少し、2008-2009シーズンにはドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントへ移籍。2009年7月には、サウジアラビアの強豪アル・ヒラルへ移籍し、レギュラーとしてチームの優勝に貢献しました。2011年12月には、メジャーリーグサッカーのバンクーバー・ホワイトキャップスへ移籍し、2013年10月22日に現役引退を表明しました。

韓国代表としての貢献

韓国代表としても長きに渡り活躍し、2002年、2006年、2010年のFIFAワールドカップに出場。2010年の南アフリカ大会では、全4試合にフル出場し、チームのベスト16進出に大きく貢献しました。AFCアジアカップ2011でもレギュラーとして活躍し、チームをベスト4に導きましたが、準決勝で日本に敗れた後、代表引退を表明しました。

人柄・エピソード

PSVアイントホーフェン時代には、同じ韓国出身の朴智星（パク・チソン）選手が内向的な性格だったのに対し、李榮杓は流暢な英語を操り、外交的な性格でした。チームリーダーであったマルク・ファン・ボメルとも、試合中に意見を戦わせることも少なくなかったようです。

2005-2006シーズンのプレミアリーグでは、マンチェスター・ユナイテッドの朴智星との直接対決が実現。この際、李榮杓は自陣ゴール前でフェイントを試みましたが、朴智星にボールを奪われ、アシストを献上してしまうという場面もありました。

敬虔なクリスチャンとしても知られ、試合前にグラウンドで祈る姿がよく見られました。また、2005年の夏には、ASモナコから500万ユーロのオファーが届きましたが、当時の所属クラブであるPSVアイントホーフェンがこれを拒否。ヒディンク監督は、「モナコはバカンスに行くような場所であり、ステップアップにはならない」と説得し、李榮杓本人も納得したとされています。

非常に努力家としても知られ、個人練習も欠かさない選手でした。ヨーロッパで成功を収めた要因として、自己主張の強さを挙げる評論家もいます。引退後は、フットウェアのスタートアップ企業「SOCKS UP」を創業。2021年1月1日からは江原FCの代表取締役に就任し、同年3月3日には大韓サッカー協会副会長にも選任されています。

もう一度検索