李氏朝鮮の君主の廟号と諡号の一覧

李氏朝鮮の君主の廟号と諡号の解説

李氏朝鮮時代における歴代君主の廟号と諡号についての一覧を紹介します。李氏朝鮮は国号を大韓帝国と称した時代も含まれ、そこに位置する君主の称号は、時代を通じた歴史的な記録となっています。これらの君主は、大部分が国王として即位した後に廟号を賜り、また、生前には国王としての地位を有していなかったものの、死後に追尊された人物についても記載されています。

特に注意すべき点として、廃位された君主である燕山君と光海君は、廟号も諡号も贈られなかったにもかかわらず、歴代君主の一員として数えられています。このことから、李氏朝鮮の歴史における評価や地位の変遷を理解する手がかりとなります。

李氏朝鮮の君主たちは、中国から与えられた諡号が存在し、その状況によって異なる影響を受けていました。具体的には、李氏朝鮮16代国王・仁祖の時代までは明から、仁祖の後は清から贈られるようになりました。高宗以降は諡号の授与が無くなってしまいます。これに関して、仁祖から25代の哲宗までの君主には、それぞれ特徴的な諡号が付けられました。

例えば、仁祖には「荘穆王」、続いて孝宗には「忠宣王」、顕宗には「荘恪王」などが付与され、粛宗、景宗、英祖、正祖、純祖、そして翼宗はそれぞれ異なる諡号を持っています。特に、「忠」と「順」「恭」など、清に対する従順を示唆する言葉が多く使われることが特徴です。このようなことから、当時の朝鮮国王は、清への従順さを示すことが強く求められていた状況を想起させられます。

しかし、このような諡号は、李氏朝鮮による公式な記録ではほとんど影響を持たず、特に『朝鮮王朝実録』では、これらの贈られた諡号は記録されていないのが現実です。その理由として、清を「夷狄」と見なす感情があったと考えられ、国家としての威厳やプライドを保つために、表面的には清への服従を装いながらも、一方で内心における反感を抱えていたことがうかがえます。

また、韓国においては、李氏朝鮮の歴代君主の名を覚えるために、特定の覚え方が用いられています。具体的には、王名の頭文字を取って7文字ずつの表現をまとめた「太定太世文端世、睿成燕中仁明宣、光仁孝顕粛景英、正純憲哲高純」とする方法があります。この方法により、国王の名前を覚えやすく記憶する工夫がされています。最後の句には異なるバージョンがありますが、いずれも君主の系統を短くまとめています。

このように、李氏朝鮮の歴代君主の廟号と諡号は、単なる称号ではなく、当時の政治的背景や国の在り方を反映した重要な要素であると言えるでしょう。これを理解することで、李氏朝鮮の歴史に対する深い洞察が得られます。

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