李源甫

李 源甫（イ・ウォンボ）の人物像と経歴

李 源甫（リ ゲンポ、イ・ウォンボ）は、1889年2月27日に咸鏡南道で生まれ、1968年7月13日にその生涯を閉じた、日本による朝鮮統治時代の官僚です。彼は、朝鮮総督府中枢院の参議として重要な役割を果たしながら、様々な公的ポジションを歴任しました。名は「翠石」で、日本名を李家源甫としています。

学生から官僚へ

李は1909年に元山源興日語学校を卒業し、当初はその校で教員として勤めました。同年に咸鏡南道翻訳官補に任命され、正式に官僚の道を歩み始めます。翌1910年には統監府警察官署の通訳に就任し、昌寧警察署に勤務。1912年には警部に昇進し、平壌や元山など多くの警察署で業務を行いました。

昇進と多様な役職

1920年には警視に昇進し、平安南道保安課長の職に就くなど、着実に昇進を重ねました。彼は1930年に京畿道振威郡の郡守に任ぜられ、その後も京城府の理事官、庶務課長、社会課長など、数々の重要な役割を果たしていきます。また、1935年には平安北道参与官に、続いて全羅南道参与官兼事務官に就任しました。これらの中で、農業や産業の発展にも寄与しました。

戦時中の活動と政治的な役割

日中戦争が勃発すると、李は日本への協力を推進し、献金や慰問品の募集、講演会の開催などに尽力しました。1940年には全羅北道知事に任命され、同年11月には紀元二千六百年式典に参加。また、日本名の創氏も行いました。

1943年には総督府中枢院参議となり、国民総力朝鮮連盟の理事としても活動を続けました。彼は外郭団体役員として太平洋戦争への協力も進め、政府において影響力を持つ存在となりました。

戦後の波乱

しかし、日本の敗戦後、彼の政治的行動は激しく非難されました。1949年1月には反民族行為特別調査委員会に逮捕され、懲役7年の求刑を受けましたが、健康を理由に8月に釈放されました。彼は1968年に死去し、その行動は後の韓国社会において大きな物議を醸しました。

死後の評価

李源甫の死後、2004年に韓国で成立した日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法によって、彼は親日反民族行為者として認定されました。この評価は、彼の歴史的な役割と行動に対する批判を反映しています。

栄典

彼の公職における功績として、いくつかの栄典が授与されました。1932年には朝鮮昭和五年国勢調査記念章、1933年には勲五等瑞宝章、髙39年には勲四等瑞宝章を受けるなど、公式の評価も受けていました。しかし、これらの栄誉は、戦後の評価とは対照的なものであり、複雑な歴史背景を持っています。

彼の人生は、日本の朝鮮統治時代の官僚としての活動と、戦後の評価が交錯する興味深い側面を持っています。

もう一度検索