李端

李端（743年 - 787年）は、唐代の詩人であり、字を正己と称しました。彼の家系は、北斉の文宣帝の皇后である李祖娥の叔父にまで遡ることができます。

若い頃、李端は廬山に住み、釈皎然という人物に師事して学びました。大暦5年（770年）には進士に及第し、校書郎という官職に就きましたが、病弱であったため辞任し、終南山の草堂寺に住むことになりました。その後、杭州司馬に任ぜられましたが、俗務を好まなかったため、最終的には衡山に移住し、「衡岳幽人」と号して隠遁生活を送りました。彼は大暦十才子の一人として数えられています。

彼の作品は現在、『李端詩集』三巻として残されています。この詩集は、彼の自然を愛する心や、隠遁生活への憧憬を表現したものが多く含まれています。

代表的な作品の一つに、『送劉侍郎（劉侍郎を送る）』という七言絶句があります。この詩は、友人の劉侍郎との別れを惜しむ心情を詠んだもので、彼の詩風の特徴がよく表れています。

李端の詩は、平易な言葉で情感豊かに表現されており、多くの人々に愛されています。彼の作品は、唐代の詩壇において重要な位置を占めており、後世の詩人たちにも大きな影響を与えました。

参考文献
* 『唐詩選』（岩波文庫、前野直彬註解）

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