李載祿

李載祿の生涯と業績

李載祿（イ・ジェロク）は、1943年5月23日に全羅南道務安郡で生まれ、主に宗教活動家として知られる人物です。万民中央教会の堂会長を長年務め、その信仰活動を通じて広範な影響を与えました。彼は生まれた家庭の末っ子として育ち、その後結婚したものの健康上の問題に苦しむ日々が続きました。しかし、姉の勧めによりヒョンシネ財団が主催するリバイバル聖会に参加したことを契機に牧師としての道を歩み始めました。

1982年に万民教会を設立し、成長する信者の数に応じて数度の移転を重ね、教会は特に銅雀区での信仰コミュニティを形成しました。1983年には万民祈祷院を設立し、1984年には万民宣教学院を開設するなど、信仰教育や活動の基盤を拡充しました。李は、彼自身が直接関与する活動を通じて、様々な地域での福音宣教を実施し、多くの信者に影響を与えました。

しかし彼の宗教活動は肯定的な評価だけではなく、批判や疑惑も後を絶ちませんでした。1989年には、韓国のイエス・キリスト大韓連合聖潔教団から異端視され、教団から追放されるという事件が発生しました。この追放は教団内部での意見の不一致と彼の教えの解釈を巡る争いに起因しており、李は後にこの経緯について自身の著書で詳細に述べています。

1991年には韓国イエス・キリスト統一教会聖潔回総会を創立し、その初代の総会長に選出されました。彼の教会は国内外での活発な信仰活動を展開し、アメリカ、ロシア、アフリカ諸国などでも海外連合大聖会を行い、多くの信者を集めました。李自身も著作活動を行い、「十字架の道」や「天国」など、信仰に関する書籍を100冊以上執筆し、その多くは70カ国以上に翻訳されました。

議論とスキャンダル

李載祿の名前は教会内外での議論の的にもなりました。特に1999年には万民中央教会が飲料水問題に直面し、奇跡的に海水を飲める水に変えたという事例が報道され、教会はこれを信仰のエピソードとして捉え、さらなる信者の信仰心を惹きつけました。しかし、韓国の食品医薬品安全庁はこの水が人間の摂取に適さないと判断するなど、論争が生じました。

また、文化放送による不正疑惑の報道も大きな騒動を引き起こしました。信者たちが放送局に乱入した事件は、教団の内部だけでなくメディアにも大きな影響を与えました。そして、李は多くの疑惑の渦中にあり、特に1990年代から2015年にかけて女性信徒に対する性的暴行やセクハラの告訴が相次ぐ中、自らを守るために法的手段を講じる一方、多くの証言が挙がりました。最終的には、これらの犯罪により懲役16年の判決を受け、最高裁でもその決定が確定しました。

2023年12月31日に彼は80歳で死去し、その死は教会内外に衝撃を与えました。万民中央教会の三女が発表した情報によると、彼の具体的な死因は公表されていません。李載祿の人生は、多くの人々に影響を与えると同時に、聖なる信仰とは何かについて深く考えさせられる複雑なものでした。

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