務安郡

務安郡（ムアンぐん）

務安郡は、大韓民国全羅南道の西部に位置する郡です。南西端は韓国有数の港町である木浦市に接しており、木浦の近郊という位置づけにあります。かつては、務安郡の西沖に浮かぶ島々も管轄していましたが、現在は新安郡に属しています。

2005年には、光州にあった全羅南道庁が郡内の三郷邑に移転し、道庁所在地となりました。全羅南道は、務安郡を中心に、対岸の中国をターゲットとした産業や企業を集積させる「務安企業都市」計画を推進しています。この計画では、中国からの企業や学校の進出も期待されており、西海岸高速道路、務安-光州高速道路、そして務安国際空港などのインフラ整備も進められています。

地理

務安郡の海岸線は黄海に面しており、リアス式海岸特有の複雑な地形をしています。小さな半島や島、湾が入り組んでおり、干潟も多く存在します。特に務安干潟は、ズグロカモメ、クロツラヘラサギ、カラシラサギなどの渡り鳥の飛来地として知られ、タコ漁も盛んです。2008年1月にはラムサール条約登録地となりましたが、近年は開発により干潟の縮小が深刻化しています。

歴史

務安郡の歴史は古く、百済時代には勿阿兮郡と呼ばれていました。

757年: 務安郡が設置されました。
1439年: 木浦万戸鎮が設置されました（木浦市の公式サイトによる）。
1885年: 木浦万戸鎮が廃止され、務安郡に編入されました。
1887年: 木浦が開港しました。
1910年10月1日: 務安府が木浦府に改称されました。
1914年:
1月17日: 湖南線が木浦まで開通しました。
4月1日: 郡面併合により、木浦府の一部、智島郡の一部、莞島郡の一部、珍島郡の一部を統合し、務安郡を編成しました。この時、25の面が成立しました。
1917年: 面の統廃合が行われ、21の面となりました。
1931年4月1日: 外邑面が綿城面に改称されました。
1932年:
二老面の一部が木浦府に編入されました。
石津面と朴谷面が合併し、石谷面が発足しました。
1939年4月1日: 石谷面が夢灘面に改称されました。
1957年11月6日: 綿城面が務安面に改称されました。
1963年1月1日:
二老面が廃止され、三郷面と木浦市に分割編入されました。
黒山面牛耳島里が都草面に編入されました。
珍島郡鳥島面馬津島里が長山面に編入されました。
1969年1月1日: 智島面など11面が新安郡として分離しました。
1971年5月27日: 望雲面に雲南出張所が設置されました。
1973年7月1日: 三郷面の一部が木浦市に編入されました。
1979年5月1日: 務安面が務安邑に昇格しました。
1980年12月1日: 一老面が一老邑に昇格しました。
1983年2月15日: 望雲面雲南出張所が雲南面に昇格しました。
1987年1月1日: 三郷面の一部が木浦市に編入されました。
2005年11月: 道庁が三郷面に移転し、道庁所在地となりました。
2011年1月1日: 三郷面が三郷邑に昇格しました。

行政

務安郡は、務安警察署と務安消防署が管轄しています。

交通

鉄道は、湖南線が郡内を通過しており、務安駅、夢灘駅、一老駅があります。ただし、KTXやSRTは停車しません。

また、高速道路は、西海岸高速道路と務安-光州高速道路が利用できます。

国道は、1号線、2号線、23号線、24号線、77号線が整備されています。

務安国際空港は、済州行きの国内線の他、日本（大分）、中国（上海、北京）への国際線が就航しています。また、期間限定でカンボジア（シェムリアップ）への便も設定されることがあります。

自然

務安干潟は、ラムサール条約に登録されている湿地で、多様な生物が生息しています。

出身人物

朴鐘八（ボクサー、元IBFおよびWBA世界スーパーミドル級王者）

外部リンク

* 務安郡庁公式サイト（朝鮮語）

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