村上市ぶどうスキー場

村上市ぶどうスキー場

新潟県村上市の蒲萄地区に位置していた村上市ぶどうスキー場は、かつて市によって運営されていたスキー施設です。新潟県内では最も北に位置するスキー場として知られていました。

歴史と概要

このスキー場は、地域の活性化を図る旧朝日村の取り組みの一つとして開発され、1988年（昭和63年）12月に村営施設として開業しました。国道7号線や、かつて出羽街道として利用された葡萄峠のすぐ近くという立地条件を備えていました。年間を通じて約1万人ほどの利用者があり、地元住民だけでなく、近隣地域からもスキーヤーやスノーボーダーが訪れていました。

しかし、下越地方の多くのスキー場と同様に、十分な積雪に恵まれないシーズンも少なくなく、計画通りの営業が困難になることも少なくありませんでした。加えて、施設の老朽化が進み、利用者の減少傾向も見られたことから、維持管理が難しくなり、2025年をもってその歴史に幕を下ろすこととなりました。

ゲレンデ構成

ぶどうスキー場は、様々なレベルの利用者が楽しめるよう、いくつかのコースが設けられていました。

グレープロード: スキーに初めて挑戦する方や、ゆっくりと滑りたい初級者向けのコースです。山の中腹から始まり、大きく迂回しながら山麓へとつながっていました。
クラシタ山ゲレンデ: 中級レベルのスキーヤー・スノーボーダーに適したコースです。中腹から第1ペアリフトに沿って緩やかに迂回しながら山麓へ降りていくレイアウトでした。
ダイナミックゲレンデ: 上級者向けのコースです。第1ペアリフトのラインに沿って設けられ、比較的斜度のある滑りを楽しめるコースでした。
パノラマゲレンデ: 山頂から中腹にかけて広がるコースで、中級者から上級者まで対応していました。コース上部は斜度がきつく、上級者向けとなっていましたが、途中から二手に分かれ、第2ペアリフト沿いを降りるルートは中級者でも滑りやすい設定になっていました。
非圧雪コース: 第2ペアリフトの上部に設けられていたエリアで、降雪後のパウダースノーを楽しみたいスキーヤーに人気でした。ただし、天候や積雪状況によっては安全確保のため開放されない場合がありました。

施設

スキー場内には、快適な滞在をサポートするいくつかの施設がありました。

リフト: ゲレンデへのアクセス手段として、以下の2基のペアリフトが稼働していました。
第1ペアリフト: 全長703メートル。
第2ペアリフト: 全長817メートル。
レストハウス: 滑り疲れた際の休憩や食事には、場内のレストハウスが利用できました。「レストハウス峠」と「くらした食堂」という二つの施設があり、温かい食事などを提供していました。
駐車場: 自家用車での来場者向けに駐車場が完備されていました。ロッジ前には約20台分の駐車スペースがあり、第1駐車場には約400台が収容可能な広いスペースが確保されていました。

アクセス

ぶどうスキー場へのアクセスは、公共交通機関と自家用車のどちらでも可能でした。

公共交通: JR村上駅から新潟交通観光バスの「北中」行きに乗車し、約45分で「葡萄」バス停に到着します。バス停からはすぐの場所にスキー場がありました。
車: 日本海東北自動車道の朝日まほろばインターチェンジで降り、国道7号線を経由して約20分で到着しました。

2025年に閉鎖された村上市ぶどうスキー場は、地域住民にとって身近な冬のレクリエーションの場であり、多くの利用者の思い出が詰まった場所として記憶されています。

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