村上武次郎

村上武次郎（むらかみ たけじろう、1882年11月10日 - 1969年7月29日）は、日本の冶金学者として知られ、数々の業績を通じて金属工学の発展に寄与しました。彼は京都府南桑田郡、現在の亀岡市に生まれたのです。初めは教員としてキャリアをスタートさせ、京都府立第一高等女学校で教育者としての経験を積みましたが、29歳で再び学問の道に進む決意をしました。京都帝国大学の理学部純正化学科に入学し、その後卒業。この後も同大学に残り、講師として後進の指導に当たりました。

1916年には、近重眞澄の推薦を受けて設立された東北帝国大学の臨時理化学研究所に赴任しました。この研究所は後の東北大学金属材料研究所となります。ここで村上は、KS鋼や新KS鋼の開発に関わり、後世に影響を及ぼす革新的な素材の研究に従事しました。特にステンレス鋼や高速度工具鋼の分野での成果は、大きな評価を受け、彼の業績は日本の金属工学界において明らかにその足跡を残しました。

村上は、その研究の成果をもとに1914年に京都帝国大学を卒業し、1923年には東北帝国大学の工学部金属工学科の教授に就任。彼の著作『特殊鋼の物理冶金学的研究』は特に評価され、1927年には帝国学士院賞（大毎東日賞）を受賞するに至ります。また、彼は1939年に日本金属学会の設立に関わるなど、金属学の発展を積極的に推進しました。

1942年には第4回日本金属学会賞を受賞し、1950年には日本金属学会の第4代会長に選出され、その後も学会の運営に力を入れました。1956年には文化勲章を受章し、1958年には第1回本多記念賞も受け取っています。さらに、彼の成果は地元仙台市からも認められ、1959年には名誉市民に選出されました。

彼の生涯は1969年7月29日に幕を閉じました。村上武次郎は、妻のゆうとともに故郷の亀岡市保津町墓地に埋葬されています。彼の研究と教育に対する情熱、そして日本の金属工学における貢献は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。また、彼の家族の中には娘婿である今井勇之進もおり、彼の遺伝子は次世代へと受け継がれています。

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