村上雅人

村上 雅人の業績と経歴

村上雅人（むらかみ まさと、1955年2月13日生まれ）は、日本を代表する超伝導工学者であり、専門は材料科学です。彼は2012年から芝浦工業大学の学長を務めており、これまでの研究や教育活動を通じて、多大な貢献をしています。特に、Fe-Mn-Si系形状記憶合金の発明やバルク超伝導体の開発に関する業績は高く評価されています。

人物背景

盛岡市出身の村上は、1967年に盛岡市立山岸小学校を卒業した後、1970年に岩手大学教育学部附属中学校を卒業しました。その後、彼は1973年にカリフォルニア州マーティネズ市のアルハンブラ高校を卒業し、1974年には岩手県立盛岡第一高校を卒業しました。東京大学理科I類に入学したのち、1979年に東京大学工学部金属材料学科を卒業し、1984年に博士号を取得。その後、新日本製鐵の研究員としてキャリアをスタートさせました。

村上は高校時代、AFS交換留学生としてアメリカに1年間滞在し、国際的な視野を育みました。新日本製鐵では、東京工業大学の森勉教授や佐藤彰一教授と共同で、Fe-Mn-Si系の形状記憶合金の開発に携わりました。この合金は、特に制震ダンパーとしての利用が知られており、竹中工務店が手掛けたJPタワー名古屋に導入されています。

国際的な業績

村上は1990年に仙台市で開催されたInternational Superconductivity Symposiumで基調講演を行い、さらには人間浮上デモも披露しました。彼はピニング効果を利用した17.3Tの超伝導バルク磁石の開発にも成功し、その成果は多くの国際会議で注目を浴びました。Applied Superconductivity Conference (ACS)、European Conference on Applied Superconductivity (EUCAS)、Materials Research Society (MRS)、International Workshop on Critical Currents (IWCC)などでの招待講演がその一例です。

教育者としての役割

村上は2012年から芝浦工業大学の学長として、教育と研究の質向上に力を注いでいます。彼の学長としての任期中、大学の国際的な競争力を強化するために様々な施策を講じ、研究の成果を社会に還元することに注力しています。

著書と受賞歴

著書としては「はじめてナットク超伝導」や「高温超伝導の材料科学」などがあり、多くの専門書を手掛けています。また、彼は1991年の日経BP社技術賞をはじめ、数々の受賞歴を持ち、超伝導に関する研究の権威として広く知られています。

村上の発表した論文は1300件以上に及び、引用数は19000件を超えるなど、彼の研究は国際的にも高く評価されています。その静かな情熱と献身は、次世代の研究者や学生たちに影響を与え続けています。彼の業績は、今後の科学技術の発展に寄与することが期待されています。

もう一度検索