村地信夫

村地信夫は、1887年（明治20年）に東京府で生まれ、1941年（昭和16年）に54歳で亡くなった日本の官僚です。内務省に入省し、地方行政に携わりました。

生い立ちと学歴

村地信夫は、村地正治の四男として生まれました。第二高等学校を経て、1912年（明治45年）に東京帝国大学法科大学（独法）を卒業しました。翌年の1913年（大正2年）11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

内務官僚としてのキャリア

1914年（大正3年）に内務省に入省し、和歌山県属に任官されました。その後、和歌山県伊都郡長、同那賀郡長を歴任し、地方行政の実務経験を積みました。その後、鹿児島県理事官、秋田県警察部長、福岡県書記官・警察部長と、警察官僚としてのキャリアを重ねていきます。さらに、内務省書記官・警保局高等課長、同保安課長、警視庁官房主事など、要職を歴任しました。これらの経験を通じて、彼は内務省の中枢で活躍する官僚としての地位を確立しました。

滋賀県知事としての業績

1934年（昭和9年）10月、村地信夫は滋賀県知事に就任しました。在任中、彼は県政の発展に尽力し、以下の施策を推進しました。

水産課分室の設置：水産業の振興を図るための組織を強化しました。
県観光協会の設置：観光資源を開発し、観光客誘致を促進しました。
工場排水問題解決のための基礎調査実施：環境問題に取り組み、県民の生活環境の改善に努めました。
治水・造林規定の制定：災害対策と森林保護を目的とした制度を整備しました。

これらの業績は、村地信夫が県政に深く貢献したことを示しています。しかし、1936年（昭和11年）4月、彼は知事を辞職し、官僚としてのキャリアを終えました。

その後の活動と晩年

退官後、村地信夫は1937年（昭和12年）に日本万国博覧会財務部長に就任しました。その後、1939年（昭和14年）2月には秋田市長に就任しましたが、在任中に病に倒れ、1941年（昭和16年）10月22日に亡くなりました。地方行政に貢献した村地信夫の功績は、後世に語り継がれるべきものです。

まとめ

村地信夫は、内務官僚として地方行政に携わり、滋賀県知事、秋田市長を歴任した人物です。その活動は、日本の地方行政の発展に大きな影響を与えました。彼の生涯は、地方行政に携わる人々の模範となるでしょう。

参考資料

校友調査会編『帝国大学出身名鑑』校友調査会、1934年。
人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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